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FOOTPRINTS(フットプリント) 未来から見た私たちの痕跡

著:デイビッド・ファリアー
訳:東郷 えりか

紙版

内容紹介

5000万キロにわたって延びる道路、放射能で2万年後まで住めない土地、10万年後も残り続ける二酸化炭素、
化石化するプラスチックごみ、沈みゆく巨大都市、宇宙空間をさまよう人工物……
人新世が地球に刻む負の遺産とは?

私たちの文明は、未来に何を残すのだろうか? 私たちはこの地球を永遠に変えてしまったのだろうか?

スコットランドのエディンバラから、海に沈みゆく上海、汚染されたバルト海、サンゴの白化現象が進むグレートバリアリーフ、フィンランドの核廃棄物処分場などを訪れながら、我々現代人が残す「未来の化石」を紹介する。

また、生物多様性や、地球の歴史を刻む南極の氷床コアのような、私たちによって失われてしまうもの、さらには、抗生物質によって進化する細菌といった、人間によって変化してしまったものなどをも取り上げる。

現代の人類は、すぐ直後の数世代に対してのみならず、数百・数千世代のちの子孫たちに対する責任を負っていることを突きつけ、遠い未来の子孫たちに、私たちがどのように記憶されることになるのかを明示する、人新世をかつてない巨視的なスケールで描く画期的な書。

目次

序章 呪われた未来の痕跡
第1章 飽くことなく延びる道路
第2章 薄い都市
第3章 ペットボトルの行方
第4章 氷床コアの記録
第5章 失われつつあるサンゴ礁
第6章 残りつづける核廃棄物
第7章 脅かされる生物多様性
第8章 微生物の攪乱
終章 未来の化石が示すもの

謝辞
参考文献

著者略歴

著:デイビッド・ファリアー
デイビッド・ファリアー
エディンバラ大学教授(英文学・環境学)
イギリス・エディンバラ大学の英文学と環境学の教授。本書で英国王立文学協会のジャイルズ・セントオービン賞を受賞。デジタル・マガジンの「イーオン」や、『アトランティック』誌に寄稿している。これまでにUnsettled Narratives (Routledge, 2006)、Postcolonial Asylum (Liverpool University Press, 2011)、Anthropocene Poetics (University of Minnesota Press, 2019)も上梓している。


訳:東郷 えりか
東郷えりか(トウゴウ エリカ)
翻訳者
翻訳者。上智大学外国語学部フランス語学科卒業。訳書にセアラ・ドライ『地球を支配する水の力』、ルイス・ダートネル『世界の起源』と『この世界が消えたあとの 科学文明のつくりかた』(以上、河出書房新社)、アンジェラ・サイニー『科学の人種主義とたたかう』と『科学の女性差別とたたかう』(以上、作品社)、 デイヴィッド・W・アンソニー 『馬・車輪・言語(上・下)』(筑摩書房)など多数。

ISBN:9784492800911
出版社:東洋経済新報社
判型:4-6
ページ数:332ページ
定価:2400円(本体)
発行年月日:2021年05月
発売日:2021年05月24日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:TQ