統計的探究プロセスにおける批判的思考の様相とその役割に関する研究
著:新井仁
紙版
内容紹介
中学校数学の授業における問題解決学習の改題と改善点を意識して批判的思考を育てる
本書の概要
統計的探究プロセスが機能する問題解決学習において、学習者の批判的思考の様相を捉えると共に学習者にとっての未知な数学、レベルの高い数学を学ぶ上で批判的思考が果たす役割について明らかにすることを目指して行った研究に基づき、まとめた一冊。
本書からわかること
統計的探究プロセスが機能する問題解決学習を通して批判的思考を育てる
日本では、算数・数学科の一領域として統計的な内容の学習が位置付けられている。また、中学校学習指導要領(平成29年告示)解説数学編では、数学において批判的に考察すること、とりわけ「データの活用」領域に関わってその重要性が強調されている。加えて、統計的な内容には、いわゆる数学の内容と関連することが多く含まれ、データの特徴を捉える際の考え方は数学の中でも重要視されるべきものであるため、統計的な内容を算数・数学科の授業の中で学ぶことは、算数・数学科の他の内容項目との橋渡しにもなる。しかし、ややもすると統計的な内容の学習は数学とのつながりが希薄になりがちであることも否めない。そのため、統計的な内容と数学とのつながりのある授業を展開することが必要だと考える。本研究では、このような問題意識のもと、批判的思考に着目した。
こんな先生におすすめ
中学校数学で統計を研究したい先生
目次
序 章 本研究の目的と方法
第1 章 教育の現状と批判的思考
第2 章 統計的探究プロセスと批判的思考
第3 章 批判的思考を捉える枠組みの構築
第4 章 中学校数学科の具体事例における学習者の思考
第5 章 授業実践事例の紹介と新たな視点
終 章 本研究のまとめと今後の課題
補 説 事例「緊急事態宣言発出時期の妥当性」