数学的な授業を創る 実践編
編著:齊藤一弥
内容紹介
真の能力ベイスを追究した、最強の算数授業の実践書!
◎本書の概要
なぜ、今、教材研究が必要なのか。数学らしく学ぶ授業とはどういうことか。圧倒的に濃い、これまでの算数授業と一線を画した内容が詰まった事例&解説! 真の能力ベイスの授業がここにある!!
◎本書からわかること
真の能力ベイスの授業が必要とされている!
早いもので現行学習指導要領が告示されて6 年半余りが過ぎ、次期基準の方向性が話題になる時期となりました。この間、多くの授業実践で能力ベイスの算数の授業づくりが試みられてきました。能力を始発点とした目標設定や見方・考え方を基盤に据えた系統の見極め、教科の本質としての内容や方法の再検討、さらには数学的活動の授業への実装など、その取り組みは教育DX などの動きと連動しながら試行錯誤的に繰り返されてきました。しかし、その一方でコンテンツを基軸に据えた教育課程や旧来の教材分析のままの学習課題の見直し、形式的なプロセスを辿る数学的活動の捉え直しなど、授業づくりの根幹を問い直すための課題が多いのも現状です。
◎WHY、WHAT、HOWで描く数学的な授業!
本書は、2021年に刊行された『数学的な授業を創る』の実践編として、「【WHY】なぜ学ぶのか―育成すべき資質・能力の見極め―」「【WHAT】何を学ぶのか―学習対象(内容・方法)の明確化―」、そして「【HOW】いかに学ぶのか―教科らしい文脈の設定―」の3 つの視点から、これからの算数の授業づくりの方向性とその具体を真摯に追究しています。
さらに、実践研究を通して、授業づくりの始発点として「資質・能力の明確化」「内容と方法の両面からの教材分析の徹底」、そして「数学らしく学び進む文脈の見極め」を詳述することで、今次学習指導要領に基づく算数の授業づくりを解き明かしています。
◎圧倒的な解説! 算数を究めたい先生はぜひ手にとってほしい!
第1章では齊藤先生による論説、第2章では齊藤先生と研究をともにする現場の先生による先進的な実践を18本掲載。さらに、各実践にはすべて齊藤先生の解説コメントが入っています。
「なぜ、その学習があるのか」「子どもたちは何ができるようになるのか」「数学として何を取り上げるか」「数学らしく学んでいるか」
本書は、そのすべてに答える一冊となっています!
◎こんな先生におすすめ
算数教育に力を入れている先生
算数教育を究めたい先生
目次
はじめに
第1章 論説
「Why」「What」「How」で描く能力ベイスの学び
第2章 実践事例
1 第1学年 取る操作を根拠に演算決定をする
求残と求差を統合する場面に焦点を当てて
2 第1学年 既得の内容を関連付けて学び続ける子どもを育む
数概念を第2 学年の乗法へとつなげる
3 第2学年 問題解決のプロセスを式から読み解く
式の価値を味わい尽くす
4 第3学年 中学年から「統計的探究プロセス」を意識させる
統計を学ぶ「目的」を子どもがつくる授業
5 第4学年 わり算は等分除・包含除だけではない
「商」「余り」の意味から割合の理解を深める
6 第4学年 小数と分数,それぞれの価値を見いだす学び
有理数の概念と表記に目を向けて
7 第4学年 「図形」領域で「角の大きさ」を学ぶ本質を追究する
敷き詰め活動を通して図形の性質や特徴を捉え直す
8 第4学年 子どもの「有能さ」は領域を超える
「変わり方」を領域横断的に学び、「関数の教え」を育む
9 第4学年 既得の除法と関連付け,商の意味をつなげる
簡単な割合で期待されていることとは
10 第5学年 分数の意味や働きを子ども自身が整理する
分数を「ややこしいもの」から「便利なもの」に
11 第5学年 学習者が系統を自覚した授業
能力で系統を見直す
12 第5学年 平行四辺形の性質や特徴と求積をつなぐ
乗法にこだわり新たな問題解決を見いだす
13 第5学年 子どもが比例的推論を働かせる学びを描く
計量的に図形をつかむことで比例を捉える
14 第6学年 分数の除法を学ぶ意味を考える
分数の乗除の学びを再考し,中学校数学へつなぐ学びを探る
15 第6学年 「文字と式」領域変更の意味を再考する
A領域で子どもが式を読むとは
16 第6学年 曲線で囲まれた図形ならではの学びを描く
円の性質や特徴から「積」の形をつくる
17 第6学年 すべてがシンプルな乗法式へ
図形を“a ×b ”で捉えるメガネ
18 第6学年 比と割合をつなぐ
比例の視点で比から割合を眺め直す
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