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日本の社会教育 65集

ワークライフバランス時代の社会教育

編:日本社会教育学会

紙版

内容紹介

奇しくもパンデミックが明らかにしたように,労働と生活をめぐる課題は,働いているか否か,家族がいるか否かを問わず,あらゆる人を巻き込み,誰しもを当事者にする。本書では,ワークライフバランスを多義的なまま用いることで,それぞれの研究枠組みや対象とした実践から見える労働と生活の実際を豊かに反映させることを企図する。そのような多義的で,曖昧な,豊かさからこそ,誰もが当事者となり,その当事者が出会い,実際生活の矛盾や葛藤に向き合い得る社会教育のこれからが見出せよう。



本書「まえがき」より抜粋

目次

第I部 ワークライフバランス時代を問い直す

ワークライフバランスからみる社会教育の課題と展望
―「誰もが働く社会」における労働と生活の再構築― 池谷美衣子


家族をめぐる逃走線とそのつなぎめとしての社会教育 冨永 貴公



依存の標準化と自由時間文化の創造
―障害者とその母親の「労働と生活」からの考察― 丸山 啓史


リカレント教育の普及・定着過程の分析
―スウェーデンにおける労働・教育政策に着目して― 笹井 宏益



第II部 労働と生活を統合する視点から社会教育実践を再検討する

障害のある青年の暮らしを支える青年集団の形成過程
―国立市公民館の実践とその理念に着目して― 橋田 慈子


ライフ・キャリアを支えるキャリア支援と社会づくり 阿比留久美

社会教育職員が「働く意味・生きる意味」を獲得するとき
―非正規職員の〈当事者性・学習者性・住民性〉に関する考察― 井口啓太郎・鈴木 麻里


人材育成に対する社会教育的アプローチの再検討
―女性管理職研修を題材として―  堀本麻由子


「マイペース酪農」にみる仕事と暮らし―バランス論を超えて― 河野 和枝



第III部 変容する労働と生活の中で,新たな社会教育の理論・実践を拓く

困難を抱えた女性への労働と生活をつないだ支援
―生活をともにした就労支援の意義― 野依 智子


生活者としての父親たちの学びと新しい価値の創造
―「シングルファザーハンドブック」作成を事例に― 吉岡亜希子


「学校における働き方改革」とジェンダーをめぐる課題
―佐賀県多久市教育長のキャリア形成プロセスと改革実践の事例をもとに―飯島 絵理


U・I ターン者による暮らしの創造と地域参加 生島 美和



労働と生活のバランスから結合への学習論
―拡張的学習論の批判的拡充を通して― 鈴木 敏正


ABSTRACT
あとがき
執筆者一覧・日本社会教育学会年報編集規程(抄)

ISBN:9784491045962
出版社:東洋館出版社
判型:A5
ページ数:208ページ
定価:2900円(本体)
発行年月日:2021年09月
発売日:2021年09月13日