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紀貫之

文学と文化の底流を求めて

著:大野 ロベルト

紙版

内容紹介

「土佐日記」の作者として知られる、歌人紀貫之が残した膨大なテクストの分析から、和歌をめぐる思想の発展や、和歌にによって培われた日本語の表現力が散文へと活かされてゆく過程を検討しつつ、意味・音声・文字の重層的な連想を通して意味作用を深めていく和歌の本質を明らかにする。
本書は理論的なアプローチを通して、古典文学を近現代あるいは外国の文学とも接続しやすい形で論じたものであり、
これまでの紀貫之研究とは一線を画すものである。

目次

序章 現代に生きる私たちが貫之を考えるということ
第一章 貫之とその時代
第二章 貫之の歌学  
第三章 貫之の企図――『古今和歌集』  
第四章 貫之の物語――『後撰和歌集』  
第五章 貫之の権威――『拾遺和歌集』
第六章 貫之の正典化  
第七章 貫之の実践――『土佐日記』    
第八章 貫之の伝記――『貫之集』
第九章 貫之の残響
付録 貫之の略年譜――および貫之をめぐる言説の年表

著者略歴

著:大野 ロベルト
1983年生まれ。日本社会事業大学専任講師。専攻は日本文学。
国際基督教大学教養学部卒業、同大学院アーツ・サイエンス研究科修了。博士(学術)。
共著に『日記文化から近代日本を問う――人々はいかに書き、書かされ、書き遺してきたか』(笠間書院、2017)、論文に “A la Maison de Shibusawa: The Draconian Aspects of Hijikata’s Butoh” (The Routledge Companion to Butoh Performance, Routledge, 2018)、「「もののあはれ」再考――思想と文学を往還しながら」(『アジア文化研究』第42号、2016)、訳書にM・ウィリアム・スティール『明治維新と近代日本の新しい見方』(東京堂出版、2019)、ピーター・ノスコ『徳川日本の個性を考える』(東京堂出版、2018)などがある。

ISBN:9784490210156
出版社:東京堂出版
判型:A5
ページ数:608ページ
定価:7800円(本体)
発行年月日:2019年07月
発売日:2019年07月25日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:DC
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:1FPJ