ドナルド・トランプ 黒の説得術
著:浅川 芳裕
内容紹介
いよいよ米大統領選も終盤。数々の問題発言、そして政治経験のないトランプ氏がなぜここまでの人気を博しているのか?なぜトランプに多くの支持が集まるのか?その秘密は、計算されつくしたとてつもない「説得術」にあった。
目次
1章 感情を支配するトランプの説得術
トランプのどこが「別格」なのか/かならず勝てるテーマを提示/ビジュアル的な言葉で感情を刺激/
つねに勝つことを「保証」/テレビ通販の手法/「他力本願」を叶える/トランプが使う3段階の感情支配テクニック/
「エンパワメント」――相手を自主的に動かす技術/「怒り」の感情に訴えかける/細部にこだわらない/
相手の不信感をとりこみ自分の力に変える/トランプの説得術 3つの技法/「決して謝らない」というテクニック/
3幕のエンターテインメント・ショー/繰り返しの技術――好感度は関係ない/演説の2つの話法 演説話法と随筆話法/
トランプの随筆話法のテクニック/第2ステージで打ち出した「大統領らしさ」/イメージ戦略の名人
2章 トランプ話術に隠された心理テクニック
シンプルに話すことこそ話術の命/簡単なことばしか使わない/小学校4年生レベルの語彙で十分/
気づかぬうちに相手を同意させてしまう技/韻を踏むことで伝えたいことばを印象づける/繰り返しの効果/
古代から使われてきたテクニック/「便乗商法」 多数輪唱とバンドワゴン効果/虚構であってもかまわない/
ハッタリと誇張の効果/「言わないことによって語らしめる」技術/人身攻撃術で論点をずらす/
「脅迫論証」と「究極の誤謬」で相手を手玉にとる/あいまいな物語をソーシャルプルーフで防御/
「ソーシャルプルーフ」で攻められたら「全面否定」で返す/ローマ法王の批判をもはね返す/リフレーミングの妙技/
問題の切り取り方を変える/ダブルバインドで相手を翻弄する/トランプがブッシュにかけた罠/
自分で答えを発見したかのような感動を提供する
3章 クリントンを陥れたトランプの「黒ブランド」戦略
「心のないヒラリー」/「悪口の刷り込み」の心理作用――認知バイアスを引き起こすトランプの呪文/
悪口によるブランド戦略/相手をおとしめるための戦略/議論の白熱化がブランド宣伝につながる/
ブランド戦略がないクリントン/クリントンがトランプを宣伝?/無難ゆえに心に響かないスローガン/
トランプとクリントンのブランド戦略の違い
4章 悪口を人気に変えるトランプの錬金術
悪口という技術/人柄の悪さを印象づけるあだ名をつける/ネガティブ・ブランドを確立する/
「子分」になったクルーズ/ライバルを追い詰め、さらに利用する/あだ名をつけるテクニック/
悪口の失敗例 ルビオの例/完膚なきまで叩きのめす戦術/「黒の説得術」が功を奏した討論会/
カーリー・フィオリーナの場合/ジェブ・ブッシュはなぜ失敗したか/クルーズの説得術が成功した例
5章 トランプの超ポジティブ思考法
トランプの源流はポジティブ至上主義/トランプが唯一師匠と呼んだ人物/考え方は事実よりも重要/
「不安の大半は精神的なものである」/「勝つ」対象はどうでもいい。「勝つ」という考え方が重要/「
問題を見上げるのではなく、見下ろすのです」/「潜在意識に立ち向かえ」/トランプのスピーチの催眠術効果/
ポジティブ思考の背後には恐怖がある/「エネルギー漏れがない男」こそが人間の理想像!?/
ネガティブな話題で劣等感と無力感を刺激/全アメリカ国民を無力感の患者にする/治療できるのはトランプだけ
最終章 新たなトランプ像
新たなトランプ像/トランプ劇場と日本の劇場型政治の違い/大統領選テーマは「雇用」と「税金」/師としてのトランプ
おわりに
参考文献一覧
ISBN:9784490209525
。出版社:東京堂出版
。判型:4-6
。ページ数:240ページ
。定価:1400円(本体)
。発行年月日:2016年10月
。発売日:2016年10月27日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JB。