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創元推理文庫

蔭桔梗

著:泡坂 妻夫

紙版

内容紹介

ミステリ性が薄いだろうと見送ってきた読者はきっと後悔する――新保博久(解説より)

男女の恋愛に絡む謎解きを描く、
第103回直木賞受賞作
生誕90年記念出版第3弾

紋章上絵師の章次は、元恋人の賢子から「着物に蔭桔梗の紋を入れてほしい」と、20年前と同じ依頼をされる。当時はある事情から下職に廻してしまったのだが、賢子は紋を見て怒り、それ以降疎遠になってしまったのだ。なぜ彼女は再び同じ依頼をしたのかという真相が語られる「蔭桔梗」。浸抜屋の利雄は、見知らぬ女性から母の形見という留袖のしみ抜きを依頼される。やがてふたりは恋仲になるが……。着物が殺人事件の謎を解く手掛かりになる「竜田川」など11 編。男女の恋愛模様に絡む謎と意外な結末を描く、傑作短編集。第103回直木賞受賞作。

■目次
「増山雁金(ますやまかりがね)」
「遺影」
「絹針」
「簪(かんざし)」
「蔭桔梗(かげききよう)」
「弱竹(なよたけ)さんの字」
「十一月五日」
「竜田川(たつたがわ)」
「くれまどう」
「色揚げ」
「校舎惜別」

著者略歴

著:泡坂 妻夫
1933年東京生まれ。75年「DL2号機事件」が第1回幻影城新人賞佳作となりデビュー。78年『乱れからくり』で第31回日本推理作家協会賞、82年『喜劇悲奇劇』で第9回角川小説賞、88年『折鶴』で第16回泉鏡花文学賞、90年『蔭桔梗』で第103回直木賞を受賞。著書に『11枚のとらんぷ』『亜愛一郎の狼狽』『湖底のまつり』『煙の殺意』『妖女のねむり』『しあわせの書』『生者と死者』『夜光亭の一夜』等がある。奇術界でも著名で、69年に石田天海賞を受賞。2009年没。

ISBN:9784488402280
出版社:東京創元社
判型:文庫
ページ数:304ページ
定価:900円(本体)
発行年月日:2023年08月
発売日:2023年08月12日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:FB
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:1FPJ