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ボードゲームでわかる!コンピュータと人工知能のしくみ

著:三宅 陽一郎

紙版

内容紹介

コンピュータと人工知能のしくみをボードゲームで楽しく学ぶ、新感覚のゲーム絵本。
子どもから大人まで、1人でも2人でも遊べるよ!


「まえがき」より

コンピュータとプログラム、そして人工知能はとても簡単な原理で動いています。
この本は、この3つを体感して学ぶことができる本です。
具体的には、ふたりでボードゲームで遊びながら学ぶことができます。
そこには、コンピュータと人工知能の原理が、ボードゲームのしかけとして組み込んであります。

ひとつだけお願いがあります。
みなさんにはプログラムを書いてもらう(とても簡単!)ほかに、「コンピュータ役」をやってもらいたいのです。
コンピュータはふつう、電気で自動的に動きます。
でも、自動的に動かすと勉強になりませんので、自分の手で動かすことでコンピュータ役を体験してほしいのです。
頭で学んだことはいつか忘れるかもしれません。
しかし一度体験した経験は、一生体にしみついて理解を助けてくれます。
この本が一番提供したいことは、コンピュータの知識ではなく、コンピュータに「なる」体験なのです。
体験をしておくと、どんなコンピュータでも自分の手足のように動かすことができるようになります。

プログラムは、プログラミング言語でコンピュータに対して書かれた命令が自動的に実行されるしくみです。
エアコンもテレビも携帯電話もパソコンも、自動的に動いているのはプログラムを書いていておいてくれた人がいるおかげです。
人工知能は、プログラムとは少し違います。
人工知能は、少し生物っぽいところがあります。
自分で観察して、考えて、アクションをおこします。
たとえば、自動ドアは「もし人が前に立てば、とびらを開く」というプログラムで動いています。
でも、「カメラから顔を見て、特定の人の顔であった場合、とびらを開く」ことができるのは人工知能です。
なぜなら、カメラから顔の情報を得て、自分の記憶している顔と同じ顔かを考えて、とびらを開く、という、「観察して、考えて、行動する」サイクルが人工知能にはあるからです。
この本で作っていただくのは、最初は人工知能ではないプログラムですが、徐々に人工知能になるようになっています。

親子で、友だち同士で、ぜひ楽しみながら、コンピュータとプログラムと人工知能になれ親しんでください。

三宅陽一郎

目次

1.コンピュータのしくみをボードゲームで学ぼう!

全体の説明
コンピュータの部品はこんなかんじ
ボードゲームのパーツでコンピュータを表してみよう
コンピュータの動くしくみはどうなっているのかな?
【コラム】人工知能ってなんだろう?

2.プログラムってなんだろう

プログラムを実行しよう
CPUについてもっとくわしく!
【コラム】バイナリについてもっとくわしく!
【練習1】ゲームの流れをざっくりつかもう
【練習2】CPUにプログラムを読みこませよう
丸印のカードを使う場合
キャラクターが壁や障害物にあたったら?
【コラム】AIはドアノブをつかめない?
もっとプログラムを書いていこう
【練習3】プログラムを3行いっぺんに書こう
【コラム】人工知能の得意なこと
リプレイしてみよう

3.練習問題

【練習問題①】
【コラム】プログラムをくふうする
【練習問題②】
いろいろな動きを考えてみよう
【練習問題③】 
【コラム】プログラムと人工知能

4.プログラムのくり返しを作ろう

【練習4】「for」を使ってみよう
「for」の練習問題
キャラクターの感覚
【コラム】ゲームの原理

5.人工知能を作ろう

強い敵キャラクターを生みだそう
【練習5】ぐるぐるとまわり続ける敵キャラクターに挑戦!
【練習問題】宝箱をゲットするには?
【コラム】いろいろな敵キャラクターを作ろう

6.条件分岐ってなに?

もっとゲームをおもしろくするには?
条件分岐とは?
魔法を使って条件分岐を実行してみよう
魔法をセットしよう
条件分岐の練習問題
場合分けをしてみよう
勝てるマス、負けるマスに印をつけよう
【コラム】自動運転の自動車
【コラム】キャラクターを動かすことは人工知能?

7.対戦しよう

ゲームのルールをおさえよう
【練習6】対戦しよう①
先を読んだプログラムを作ること
【練習7】対戦しよう②
マップを作ってみよう
いろいろな戦略を考えよう

まとめと謝辞

著者略歴

著:三宅 陽一郎
著者:三宅陽一郎
ゲームAI開発者。京都大学で数学を専攻し、大阪大学大学院物理学修士課程、東京大学大学院工学系研究科博士課程を経て、デジタルゲームにおける人工知能の開発と研究に従事。博士(工学、東京大学)。2020年度人工知能学会論文賞受賞。
現在、立教大学大学院人工知能科学研究科特任教授、九州大学客員教授、東京大学特任教授・客員研究員などを務め、学生の指導にも力を入れている。
著書に『戦略ゲームAI解体新書』(翔泳社)、『人工知能のための哲学塾』(ビー・エヌ・エヌ新社)、『人工知能が「生命」になるとき』(PLANETS/第二次惑星開発委員会)、『人工知能の作り方』(技術評論社)、『なぜ人工知能は人と会話ができるのか』(マイナビ出版)、共著に『絵でわかる人工知能』(SBクリエイティブ)、『高校生のためのゲームで考える人工知能』(筑摩書房)、『ゲーム情報学概論』(コロナ社)、『FINAL FANTASY XVの人工知能』(ボーンデジタル)、監修に『最強囲碁AI アルファ碁 解体新書』(翔泳社)、『C++のためのAPIデザイン』(SBクリエイティブ)などがある。

ISBN:9784487812806
出版社:東京書籍
判型:A4
ページ数:120ページ
定価:3200円(本体)
発行年月日:2022年11月
発売日:2022年11月02日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:YBC
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:YNTC