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イドコロをつくる

乱世で正気を失わないための暮らし方

著:伊藤 洋志

紙版

内容紹介

不安の感染を防ぎ、思考の健康さを保つ。
縁側を自作する、近所の公園を使いこなす、銭湯に行く、行きつけのお店を大事にする、お気に入りの散歩道を見つける、趣味をつくる、一人で自然を眺める、仕事仲間、生活共同体、親しい友人を手入れする……現代において正気を失わないために各人が意識的に確保したい「イドコロ」を思考の免疫系という考え方で提案。
個人でできる小さい広場のつくり方、見つけ方。

目次

序|「イドコロ」の必要性

練習問題その1


第1章|「イドコロ」とは何か

「イドコロ」は思考の免疫系の構成要素/正気を失わせる圧力を認識しよう/昔からあるイドコロの再発見とmixiの再評価/イドコロとしての伊勢講/かつてのイドコロの例/イドコロの型/生活を共同する集まり/強い趣味の集まり/公共空間に気に入った場所をみつける/日頃通える小さいお店/有志でつくるオープンな空間/倫理観を共有できる空間は居心地がいい/文明から離れて一人になれる空間

練習問題その2


第2章|「イドコロ」をどのようにつくったらよいか

思考の免疫系としての「イドコロ」を育てる/趣味の見つけ方は仕事よりも簡単ではない/気に入った公園を探そう/日頃通えるお店を持つこと/少しの篤志でオープンな空間をつくる/文明から離れて一人になれる空間/現代における生活を共同する集まりはイコール家族ではない/友人の数は多ければ多いほどいいのか? 親しい友人とは/仕事仲間が正気を保つのに有用なケースは減っている

練習問題その3


第3章|「イドコロ」の息吹(実践例)

生活共同体を兼ねたイベントスペース「下馬土間の家」――都心でできるだけボロい家を直して使い倒す/自主運営の仕事場「スタジオ4」――仕事場は自分でつくる/イドコロの歴史から若衆宿と「下馬土間の家」を考える/「有志でつくるオープンな空間」のための覚書/自然系のイドコロ「生活共同体≒家族」だけで乗り切ろうとしない/自然系イドコロとしての友人と獲得系イドコロで生じる友人/趣味のイドコロ――「竹で家をつくる会」を例に/公共空間の気に入った場所は地味だが大事/イドコロになるような日頃通えるお店を発掘する/文明から離れて一人になれる空間も重要なイドコロである

練習問題その4


第4章|「イドコロ」は思考の免疫系を構成する

人はなぜイドコロを必要とするのか/イドコロ不足で生まれるストレスは世の中に放出される/思考の免疫系を手入れする/「生活を共同する集まり」を考える/イドコロとしての「親しい友人」を考える/イドコロとしての「仕事仲間」を考える/獲得系イドコロは消えやすいがつくりやすい/意外性の「強い趣味の集まり」/「有志でつくるオープンな空間」は遍在する/日常のイドコロは素早い/人間は正気を失うものであり、そこが可能性でもある。だからこそ思考の免疫系を手入れしよう


あとがき

著者略歴

著:伊藤 洋志
1979年生まれ。香川県丸亀市出身。京都大学にて農学・環境科学を専攻し修士号(農学)取得後、零細企業の創業に従事し肌荒れで退職。以後、養生期間を経て自営業。頭と体が丈夫になってついでに公正な社会環境づくりにつながる、大資本を必要としない仕事と活動をナリワイ(生業)と定義し研究と実践に取り組む。実践したナリワイは衣食住・教育・娯楽と分野を超えて10個超。半農家を増やす「遊撃農家」、床を通じて住の自給力を高める「全国床張り協会」、エネルギー自給が基本の環境調和生活を遊牧民に見習う「モンゴル武者修行」、ユーザーとつくる野良着メーカー「SAGYO」などが代表的なナリワイ。本書は、活動の土台となる思考の健康さを保つ様々な場とその働きを「思考の免疫系」として構想したものである。
教育活動として静岡県立大学「キャリア形成概論」講師、丸亀市リノベーションまちづくり構想検討会議副委員長など大学のキャリア教育や各地の起業プログラム講師を務める。著書に『ナリワイをつくる』、共著に『フルサトをつくる』(ともに東京書籍、後にちくま文庫)がある。

ISBN:9784487811151
出版社:東京書籍
判型:4-6
ページ数:228ページ
定価:1500円(本体)
発行年月日:2021年03月
発売日:2021年03月10日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:VF