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戦争・平和・国際組織

歴史的に考える

著:武田 昌之

紙版

内容紹介

国際連盟へと流れ込む思想の水脈は一つではなかった。
そして、平和を希求する数多くの水流が1920年代を源泉として流れ出した。
ブルンチュリ、シュッキング、ヴェーベルク、
ゲルラハ、ヒラー・・・・・・さまざまな国際法学者の国際組織構想や、平和主義者の兵役と兵役拒否に対する見解を通して、近代の戦争と平和の常識を相対化し、さらには、日本国憲法第9条第2項の歴史的な意味を考える。

目次

第1部 ヴァイマル期における平和主義
第1章 ヴァイマル期における平和主義
はじめに
I.国家間の問題としての戦争と平和
1.国家の防衛に関する諸見解
2.国際連盟の強制執行に関する諸見解

II.国家と国民の問題としての戦争と平和
1.兵役義務に関する諸見解
2.ヒラーのラディカルな平和主義

III.ヒラーの革命的平和主義
おわりに

第2章 国際連盟とドイツの平和主義
はじめに
1.前史
2.強制措置軍事力に対する肯定的議論
3.強制措置戦争に対する原則的反対論
おわりに

第2部 国際連盟成立期の国際組織構想
第3章 国際連盟成立期の国際組織構想
はじめに
I.国際機構構想史の概観― 第一次大戦期を中心に―
1.サン- ピエール、ブルンチュリ、ロリマー
2.第一次大戦期の諸構想

第4章 国際連盟成立期の国際組織構想 (2)―ドイツ国際法協会案
II.ドイツ国際法協会案
前提的説明
DGfV案の内容
DGfV案の小まとめ

第5章 国際連盟成立期の国際組織構想 (3)― 連合国側の諸提案
III.大戦末期から一九一九年一月までの連合国側の国際組織構想
前提的説明
規約案の比較

第6章 国際連盟成立期の国際組織構想 (4)― ドイツ政府案を中心に
IV.ドイツ政府案を中心に
前提的説明
規約案の比較

第7章 国際連盟成立期の国際組織構想 (5)― 諸構想の比較
V.国際連盟成立期までの様々な国際組織構想の比較
前提的説明
1.目的や機能において包括的な国際機構 (一般的国際機構) か否か
2.普遍的国際機構か否か
3.同権的国際機構か否か
4.加盟国の国家主権の制限の程度
おわりに

第3部 歴史から現代へ
第8章 二〇世紀における安全保障の歴史的展開と「新しい戦争」の時代
はじめに
1.ハーグ平和会議の頃
2.第一次大戦と国際連盟の頃
3.国際連合と集団安全保障
4.冷戦崩壊以降
5.武力行使の正当性の判断基準
おわりに

第9章 歴史的視点から見た憲法第九条第二項
はじめに
1.長期的歴史的視点から
2.中期的歴史的視点から
3.短期的歴史的視点から
おわりに

第10章 日本の 「再軍事化」 への懸念 ―歴史的平和研究の視点からの小論
はじめに
1.安全保障政策をめぐって
2.民主主義や権力についての考え方をめぐって
おわりに

あとがき
著者論文一覧
主な史料・参考文献

索引

著者略歴

著:武田 昌之
東海大学国際文化学部地域創造学科 教授

ISBN:9784486021759
出版社:東海大学出版部
判型:A5
ページ数:256ページ
定価:6800円(本体)
発行年月日:2018年12月
発売日:2018年12月12日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JPS