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土壌動物

その生態分布と多様性

著:原田 洋
著:芳村 工

紙版

内容紹介

本書はササラダニやダンゴムシ等の土壌動物を通して、生物が都市化等の環境変化にどのように適応していくかを解説する。巻頭に土壌動物に関するQ&Aを配し、土壌動物研究を始める人にも判りやすい内容になっている。

目次

 まえがき
 Q&A

第1章 ササラダニ群集の多様性
    1.都市域に残存する森林土壌のササラダニ群集
    2.庭園緑地のササラダニ群集
     2-1.樹上環境のササラダニ相
       1 出現種および個体数密度が貧弱である
       2 有翼類の種が圧倒的に優勢である
       3 さまよい型の種が多い
       4 多様なササラダニ相が構成されている
     2-2.石上蘚苔類のササラダニ相
       1 出現種および個体数密度が貧弱である
       2 有翼類の種が優勢である
     2-3.土壌環境のササラダニ相
     2-4.3つのハビタットにおけるササラダニ相
       コラム1 学名と和名
    3.学校校庭のササラダニ群集
    4.林床植物の刈り込みがササラダニ群集に及ぼす影響
       コラム2 土壌中のダニと血を吸うダニ
    5.踏圧がササラダニ群集に及ぼす影響
    6.霧島山群・韓国岳のササラダニ群集
     6-1.種数
     6-2.優占属
    7.伯耆大山のササラダニ群集
     7-1.山地帯と山頂帯の比較
     7-2.霧島山群・韓国岳との比較
     7-3.垂直分布帯(植生帯)での比較
    8.火山地のササラダニ群集
       コラム3 プレパラート標本の作り方
    9.高山・亜高山帯のササラダニ群集
     9-1.ツブダニ科の種数が少ない
     9-2.ヒメヘソイレコダニの個体数密度が低い
     9-3.イカダニ科の種が欠落している
     9-4.コバネダニ科の種数が多い
     9-5.ラウスコバネダニの出現状況
     9-6.オニダニ科の種数が豊富である
     9-7.アミメオニダニ属の分布状況
     9-8.キシダイレコダニの分布状況
     9-9.ツヤタマゴダニ属の生態分布
     9-10.一つの山岳における垂直分布の例
       1 荒川岳
       2 岩手山
        コラム4 横浜の残存樹林土壌からカマアシムシの新亜種発見

第2章 大型土壌動物の群集構造
    1.アリ群集の種組成からみた自然環境
     1-1.調査地の概要
     1-2.主な結果
       1 クラスター分析
       2 種組成
       3 採集方法の比較
       4 各調査地におけるアリ群集の特徴
       5 群集構成種に占める肉食性アリ種の割合
       6 肉食性アリ種の割合による自然環境評価
    2.異なる植生下にみられるミミズ群集の種組成と現存量
     2-1.調査地と調査方法
     2-2.各調査地におけるミミズの群集構造
     2-3.フトミミズ科5種の生息層
     2-4.ミズキ林におけるミミズの月別変化
        コラム5 土壌動物のはたらき
    3.ハマダンゴムシの生態分布
     3-1.昼間における水平分布
     3-2.昼間における鉛直分布
     3-3.砂の含水率
    4.ハマダンゴムシの成長挙動
    5.オカダンゴムシとコシビロダンゴムシ科の生態分布
     5-1.横浜市内におけるコシビロダンゴムシ科とオカダンゴムシの生態分布
     5-2.ダンゴムシのマイクロハビタット
     5-3.林内と林外の土壌酸性度
    6.落葉の分解実験
     6-1.リターバッグ法による落葉分解実験
       1 常緑広葉と落葉広葉の季節実験
       2 モウソウチク林におけるモウソウチク葉と落葉広葉の分解実験
     6-2.ダンゴムシによる摂食実験
       1 コシビロダンゴムシ科による摂食実験
       2 オカダンゴムシによる摂食実験
        コラム6 金神さん

第3章 土壌動物による環境評価
    1.土地利用による環境変化と土壌動物相―東カリマンタンを例に
     1-1.調査地
     1-2.方法
     1-3.主な結果
       1 全体的特徴
       2 環境区分に対応した分布を示す属群の抽出
       3 人為による植生の破壊とその回復過程における土壌動物相の変化
    2.自然性の回復評価―環境保全林を例に
     2-1.経年変化―環境保全林への大型土壌動物の侵入状況
     2-2.経年変化―環境保全林へのササラダニの侵入状況
       1 優占種割合
       2 MGP分析
       3 種組成の変化
     2-3.供給源との関係
    3.自然植生選好度―小笠原諸島の土壌動物相を例に
     3-1.出現頻度と自然植生選好度
     3-2.自然指数による環境評価
    4.土壌動物による点数評価
     4-1.大型土壌動物による自然の豊かさ評価
       1 暖温帯域における自然の豊かさ評価法
       2 異なる植生地における評価結果
       3 供給源との関係
       4 マイクロハビタットとの関係
       5 調査時期と評価点の関係
       6 暖温帯上限域における自然の豊かさ評価
       7 冷温帯域における自然の豊かさ評価法
       8 冷温帯域における自然の豊かさ評価の事例
        コラム7 気候帯・垂直分布帯・植生帯
     4-2.ササラダニによる自然性の評価
       1 暖温帯域におけるササラダニによる自然性の評価
       2 自然性の評価例
       3 斜面位置やマイクロハビタットとの関係
       4 冷温帯域における自然性の評価法


 謝辞
 あとがき
 引用文献
 索引

著者略歴

著:原田 洋
原田 洋
1946年生まれ。横浜国立大学教育学部卒業。横浜国立大学教育人間科学部教授を経て、横浜国立大学名誉教授。学術博士(北海道大学)。
著:芳村 工
芳村 工
1941年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。企業勤務を経て、横浜国立大学環境情報学府博士課程前期修了修士(環境学)。

ISBN:9784486020745
出版社:東海大学出版部
判型:A5
ページ数:168ページ
定価:3800円(本体)
発行年月日:2015年07月
発売日:2015年07月22日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:PSV