出版社を探す

加齢黄斑変性 治療と予防最新マニュアル

「一生よく見える目」をつくる!

著:尾花明

紙版

内容紹介

目は確実に老化します。目には寿命があるのです。
人生100年時代、一生見える目であり続けるために、いま知っておくべきこと&やるべきこと。

加齢黄斑変性は、文字どおり加齢などによって黄斑部(網膜の中心部分)に異常が生じる病気です。30年前は日本ではほとんど認識されていませんでしたが、欧米では失明の主要原因になっており、早くからその治療が重要視されてきました。
現在は日本でも加齢黄斑変性が視覚障害の原因の第4位を占め、60歳以上の高齢者の失明原因では第1位となっています。発症要因は加齢のほか、食生活の欧米化や喫煙、太陽やパソコンの光線に目がさらされる機会の増加など(酸化ストレス)。高齢化に伴い、今後患者数が激増することが懸念されている病気です。

本書は、加齢黄斑変性症の診断・治療・予防の日本における第一人者がその実態を伝え、警鐘を鳴らすとともに予防を促すものです。目の健康を守る切り札「カロテノイド(天然色素)」の利用法から、視力を改善させる最新の治療法までを解説します。

目次

はじめに

第1章 カラダより先に「目の寿命」がやってくる
加齢黄斑変性症(AMD)は増加の一途
発症を加速させる生活環境の変化
現代人は「発病」を試されている?
ケーススタディ/老化への準備がいかに大切か
●90歳男性Nさん 放置したために、あわや失明の危機
●75歳男性Sさん 早めの予防と白内障手術の成果

第2章 加齢黄斑変性はなぜ起きるのか
見たいところが見えなくなる恐ろしい病気
最初は歪んでやがて中心が暗くなる
アムスラーチャートで自己診断
AMDの始まりは老廃物の蓄積
物が見える仕組みと老廃物の関係
兵糧攻めと酸化ストレスに見舞われる
日本人に多いのは液体が滲み出すタイプ
●滲出型AMD ―― 病的な血管ができてしまう
●萎縮型AMD ―― 視細胞が死んでしまう
AMDの原因はひとつではない
●加齢によってカラダが錆びる
●酸化ストレスが視細胞を傷つける
●遺伝は無関係とは言えない
●発症しやすい遺伝子を持つ人とは
●喫煙者は発症率が2倍以上
●動脈硬化なども悪化要因となる
●食生活が大いに関係あり

第3章 もう怖くない! 最新治療法のすべて
治療方法は日々進化し続けている
レーザー光凝固術の誕生と試行錯誤
科学をもって患者の人生に寄り添う
病的組織だけを狙い撃つ光線力学療法
日本人にうってつけのPDT治療
抗VEGF治療で視力が改善する!
3種類の治療薬はそれぞれに個性的
●ルセンティス
●アイリーア
●ベオビュ
眼に注射を打つことを恐れないで
●副作用が疑われる症状 ―― 早急に担当医に知らせる
長期間繰り返し行う抗VEGF治療
計画的か必要時か ―― それが治療の分かれ道
●固定投与
●Treat&Extend治療
●必要時治療
アイリーアTAE治療の実態が見えた
●導入期の治療は効果大
●維持期の治療は最大4カ月間隔
●継続できない患者もたくさんいる
●怖がらずに備えることが大事
副作用には十分に注意して治療する
抗VEGF治療の費用はいくらかかる?

第4章 予防の切り札「カロテノイド」って何だ?
AMDを引き起こす活性酸素の正体
動物はカロテノイドを自力でつくれない
植物からの大切な贈り物
酸化ストレスから目を守る強い武器
はっきり見える人、見えない人
黄斑色素トリオ それぞれの働き方
小腸の壁から入り網膜へと運ばれる
子どもの視覚は母親の食事や母乳からつくられる
目を守るために必要な野菜をしっかり摂る
AMD患者には黄斑色素が少ない
オメガ3系脂肪酸にも予防効果がある
サプリメントを上手に活用してみよう
完全ではないがサプリは重要な予防策

第5章 「一生見える目」をつくる方法
AMDを発症する原因を知っておくこと
まず片目を閉じて見てみよう
スマホやパソコンの明るさを調節しよう
①AMDを発症していない健康な中高年の方へ
②AMDの前段階(前駆病変)の方へ
③滲出型、萎縮型AMD患者で現在治療中の方へ
体内時計の針に合わせて生活しよう
室内照明はTPOで工夫しよう
食べて予防するための最適アドバイス
●見える目をつくるために野菜を摂る
●オメガ3系脂肪酸は魚からの恵み
●適度な脂肪酸がAMDを防ぐ決め手
●ビタミンが活性酸素を撃退する
●亜鉛サプリは国産のものを
サプリメントの表記には要注意
外国製品には手を出さない!
本当によく効くサプリメントとは?
メタボが目に危険をもたらす理由
禁煙はAMD予防のための必須条件
アルコールの摂り過ぎで出血することも
ベジメータで簡単にできる自己チェック

おわりに

アムスラーチャート

著者略歴

著:尾花明
聖隷浜松病院眼科部長。加齢黄斑変性に代表される「網膜硝子体」の治療と予防のスペシャリスト。
1958年大阪市生まれ。1983年大阪市立大学医学部卒。87年同大学院を修了、同大医学部助手。1990年、独ルートヴィヒ・マクシミリアン大学留学。
帰国後、大阪市大医学部講師、助教授を経て、2003年浜松医科大学客員教授。04年から現職。
現在、大阪市立大学客員教授、島根大学臨床教授。日本眼科学会専門医。医学博士。

ISBN:9784484212357
出版社:CCCメディアハウス
判型:4-6
ページ数:192ページ
定価:1400円(本体)
発行年月日:2021年12月
発売日:2021年12月01日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:VFD
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:MJQ
国際分類コード【Thema(シーマ)】 3:MJP