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同僚は外国人。

10年後、ニッポンの職場はどう変わる!?

著:細井 聡

紙版

内容紹介

まさに近未来、私たちの労働環境に凄まじい変化が起ころうとしている !?

長い間、日本は人手不足の対応のため、ごまかしながら外国人を受け入れてきた。その法整備を、今ようやくはじめたところだ。これからは、さらに踏み込んだ対応が必要になるだろう。
私たちは変わっていかなければならない。動物も、人も、企業も、国家も、時代と環境の変化に対応できなければ生き残ってはいけない。それを柔軟にしてきたからこそ、この国は何世紀も続いている。(「あとがき」より)

行政書士として、外国人の在留資格取得や日本での起業支援を手掛け、彼らを熟知する著者が、急速に進む労働力の多様化と、それが私たちの生活に及ぼす影響を大胆予測。
「労働力」でなく「人間」である外国人をどう受け入れていくべきか、「外国人と向き合う最前線」から提言する。

目次

第1章 
実は誰もわかってない!? 外国人労働者ってなんだ!
なぜ「彼ら」は日本にいることができるのか
「ビザ」と「在留資格」の違い
これまで日本に外国人労働者はいなかった?
始まりはバブルの狂乱! 3Kを支えた中東のあの国
不法滞在なのに今よりはるかにましだった彼らの待遇
それが今では……不法滞在者たちの残酷物語
第二の波は日系人の帰国ラッシュ!
日本人の血は流れていても、やはり外国人だった!?
バブル期の名脇役、フィリピーナは今もたくましい
そして始まった! 悪名高き現代の奴隷制度「技能実習」
実習生がいなくなった!
技能実習制度の仕組み
問題山積の制度設計
外国人労働者のサプライチェーン

第2章
現代外国人労働者事情
「留学生」という名の新たな労働者たちの誕生!
日本語学校が不法就労の入り口に?
確信犯の「留学生」たち
「週28時間」狂騒曲
単純労働、大卒はよくて専門学校卒はダメという不思議
大手を振って働ける?「難民ビザ」
世界一厳しい? 日本の難民審査
借金から逃げてきた外国人が難民だって?
「難民」から「不法滞在者」に
寝室が別だと認められない?「日本人の配偶者」という資格
見破るのは無理?「偽装結婚」労働者たち
外国人問題の縮図、「コック」を考察してみる

第3章
実は勤勉で優秀な外国人労働者たち
一般企業で働くためのキーワード〝ギジンコク〟ってなんだ?
意外にハードルが高い飲食店の外国人雇用
たくましくしたたか、中国の若者の人生設計
MBAを取得していた居酒屋バイトのインド人
働き者ゆえに追い出されたネパール人
日本人より優秀な偽装難民の労働者たち
永住権の大安売り?「日本版グリーンカード」
外国人が日本で会社を興すには?
したたかを絵に描いたような外国人経営者たち
浅草で着物屋になったフランス人
白タクをめぐるあれこれ
「帰化」と「永住者」はどう違う?
究極の目的は永住権を持って帰国すること!?
ハングリーで優秀な外国人労働者たち

第4章
「特定技能」導入で露呈した日本の強みと弱み
新設された「特定技能」という制度
「日本人と同等以上の報酬」が採用をためらわせている
外国人を入れると賃金が下がる?
手厚い生活支援制度が雇用を阻む?
日本語という大きな壁
「技人国」も「留学生」も日本語に困っている?
もう一つの大きな壁、英語
英語が通じないのは日本最大の弱みである
「技能試験」の怪
お金をかけて技能試験をする必要があるのか
「特定技能」労働者は移民か?
日本政府の「移民対策」
外国人は労働者であり消費者でもあるというあたりまえのこと
永住への道は遠く険しい
日本は移民を受け入れるべきか
産業別受け入れ制限について
改正入管法は「出稼ぎ外国人保護法」?

第5章
外国人をめぐる諸問題
外国人の人権を考える
外国人をめぐる9つの問題
外国人の立場から問題をみてみると……
万国共通の願いは、たくさん働いて稼ぐこと
世界一高度な社会保険こそ日本国の実力
ニホンゴハナシマセン、部屋は貸せません
「来た時よりも、もっと日本を好きに。」

第6章
「共生」への処方箋 ――私の考え
言われないから気がつかない、怒られないから直さない
日本人は本音を伝える必要がある
「共生」と「同化」のあいだ
カギは日本語にあり
日本語が話せる外国人をもっと評価しよう
外国人が理解しやすい日本語を
外国人への日本語教育を充実させる
外国人の子女も「義務教育」にすべき理由
外国人のための教育制度は社会インフラである

第7章
10年後の同僚は外国人ばかり?
外国人が同僚になり、上司になる日
労働者受け入れの新しい動き
ホワイトカラーの職種にも外国人が進出する
3ヵ国語が求められる時代
すでに進んでいる、外国人材の積極的採用活動
確実にやってくる、上司が外国人になる日
外国人を使えなければ仕事にならない
「出稼ぎ労働者」でなく「定住者」とその家族を受け入れた方がいい理由
「永住」より「帰化」を促す施策を
難民の受け入れについて思うこと
外国人が私たちの国の一員になる

あとがき

著者略歴

著:細井 聡
特定行政書士。1957年生。東京都出身。南山大学独文科卒。
さまざまな国のさまざまな外国人を受け入れ、彼らの就職や起業などの支援に携わり、現場の最前線で業務に当たっている行政書士(大江戸国際行政書士事務所)。
大学卒業後、大手電器メーカーにて飲料メーカーへの販売促進業務に携わり10年勤務。
1990年、起業して長年の夢であった音楽業界へ進出。音楽書籍の企画制作販売、海外アーティストのCD 制作や招聘などを手掛ける。
2010年リタイヤ。2011年、東京電力福島原子力発電所のコールセンターにて賠償業務に携わることとなり、事業賠償の責任者として勤務。すぐに法律の重要性を思い知り、行政書士資格を取得、現事務所開業に至る。
主業務は、企業からの依頼による外国人の在留資格取得業務、外国人の日本での起業支援、そしてこれらに伴う許認可、契約書等の作成。著作権が含まれる契約書を得意としている。ビザ免除国ではない国の人のビザ申請も引き受けている。

ISBN:9784484202099
出版社:CCCメディアハウス
判型:4-6
ページ数:240ページ
定価:1600円(本体)
発行年月日:2020年03月
発売日:2020年03月30日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JBF