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ちくま学芸文庫 サ-53-1

須弥山と極楽

仏教の宇宙観

著:定方 晟

紙版

内容紹介

仏教は宇宙をどう捉えたか。5世紀インドの書『?舎論』の須弥山説を基礎に他説も参照し、仏教的宇宙観とその変遷を簡明に説いた入門書。解説 佐々木閑
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須弥山とは、高さ約56万キロメートル、天神らが暮らす想像上の高峰である。5世紀頃インドで書かれた仏教論書『?舎論』はこの須弥山を中心とする壮大な宇宙を描き出し、仏教が宇宙をどう捉えたかを詳細に解説した。本書は、『?舎論』を基礎に他説も参照し、仏教宇宙観を簡明に記す。人間より優るが欲望の虜である天神とはいかなる存在か。「蛆虫に骨をうがたれる」といった地獄の責苦、世界を構成する四大と極微、宇宙の消滅と生成のサイクルなど、幅広く解説。後代に現れる極楽浄土の思想をも取り上げて、人生を苦とし、輪廻と解脱の思想を根底とするこのユニークな体系の変遷をたどる。長年読み継がれてきた入門書。

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壮大無比のスケール
三千大千世界、輪廻、地獄、極微……
仏教の世界観へいざなう無類の書。

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目次

【目次】
まえがき
1章 人間は宇宙をどう把えたか
1 須弥山説の世界 
 2 仏教に説かれたインド亜大陸 
 3 太陽と月 

2章 仏教の〝地獄と天界?
 1 地獄の世界 
 2 天界の構成 
 3 禅定者の世界 

3章 極大の世界と極微の世界
 1 三千大千世界 
 2  物質の根源 四大と極微 

4章 仏教宇宙観の底を流れるもの
 1 時間と人生 
 2 宇宙の生成と消滅 
 3 業と輪廻 

5章 西方浄土の思想  
 1 娑婆と極楽 
 2 西方浄土の思想の起原 

6章 地獄はどう伝えられたか
 1 エンマの変身 
 2 三途の川 
 3 賽の河原と地蔵菩薩 

7章 仏教の宇宙観と現代
 1 実践的宇宙観から神話へ 
 2 仏教の宇宙観が示すもの 

  補注と訂正 
  ちくま学芸文庫版へのあとがき 
  解説 「仏教の面白さ」を伝える名著(佐々木閑)

著者略歴

著:定方 晟
1936年生まれ。1959年、東京大学教養学部卒、同大学大学院で印度哲学を専攻。1963~64年、パリ大学に留学、印度哲学を研究。現在、東海大学名誉教授。

ISBN:9784480511966
出版社:筑摩書房
判型:文庫
ページ数:224ページ
定価:1000円(本体)
発行年月日:2023年07月
発売日:2023年07月10日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:QRF