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ちくま学芸文庫 ホ-22-2

リヴァイアサン(上)

著:トマス・ホッブズ
訳:加藤 節

紙版

内容紹介

各人の各人に対する戦いから脱し、平和と安全を確立すべく政治的共同体は生まれた。その仕組みを分析した不朽の古典を明晰な新訳でおくる。全2巻。===人間世界における自然状態は、絶対的に自由な状態であるがゆえに各人の各人に対する戦いが絶えない。これをいかに脱し、平和と安全を確立するか――。感覚器官の分析から始まる人間把握を経て、人々が自らの権利を、一人の人間あるいは合議体に譲渡し、政治的共同体を設立していく理路が解明される。イングランドの内乱を背景に、哲学と宗教論の全域にまで考察を行った書『リヴァイアサン』は、近代政治哲学を大きく切り拓くこととなった。この一大古典を17世紀という時代の特性を踏まえた明晰な新訳で届ける。上巻には「第一部 人間について」「第二部 政治的共同体について」までを収める。===政治的共同体の生成争いに満ちた自然状態を脱し、平和と安全をもたらす権力の成立を考察した一大古典。===

目次

凡例献辞序説第一部 人間について第一章 感覚について第二章 想像について第三章 想像の継起あるいは連続について第四章 言葉について第五章 推論および学問について第六章 一般に情念と呼ばれる意志にもとづく運動の内的な端緒と、それが表現される言葉とについて第七章 論究の終結あるいは解決について第八章 一般に知的と呼ばれる諸能力と、それらとは反対の諸欠陥とについて第九章 知識のさまざまな主題について第十章 力、値打ち、位階、名誉、ふさわしさについて第十一章 態度の相違について第十二章 宗教について第十三章 人類の至福と悲惨さとをめぐる彼らの自然状態について第十四章 第一、第二の自然法と契約とについて第十五章 その他の自然法について 第十六章 人格、本人および人格化されたものについて  第二部 政治的共同体について第十七章 政治的共同体の諸原因、発生、定義について第十八章 設立による主権者の諸権利について第十九章 設立による政治的共同体のいくつかの種類および主権者権力の継承について第二十章 父権的支配権および専制的支配権について第二十一章 臣民の自由について第二十二章 政治的および私的な従属的諸組織について第二十三章 主権者権力の公的な代行者たちについて第二十四章 政治的共同体の栄養と生殖とについて第二十五章 助言について第二十六章 国法について第二十七章 犯罪および罪の免除と軽減とについて第二十八章 処罰と報酬とについて第二十九章 政治的共同体を弱体化させ、あるいはそれを解体へと向かわせることがらについて第三十章 主権者としての代表の職務について第三十一章 自然による神の王国について

著者略歴

著:トマス・ホッブズ
トマス・ホッブズ(Thomas Hobbes):1588‐1679年。イギリスの哲学者・政治思想家。経験論・唯物論・唯名論を総合した立場に立ち、自然学・人間学・政治学の三部からなる壮大な哲学体系を構想する。自然権をもつ人間は、〈万人の万人に対する戦い〉にある自然状態から社会契約によって国家状態に移ると考えた。著書に『法の原理』『哲学原論』『ビヒモス』など。
訳:加藤 節
加藤節(かとう・たかし):1944年長野県生まれ。東京大学法学部卒業、同大学院博士後期課程修了。法学博士。政治哲学専攻。現在、成蹊大学名誉教授。著訳書に『近代政治哲学と宗教』、ロック『統治二論』など。

ISBN:9784480511430
出版社:筑摩書房
判型:文庫
ページ数:576ページ
定価:1600円(本体)
発行年月日:2022年12月
発売日:2022年12月12日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:QDH
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:1DDU