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ちくま学芸文庫 モ-18-2

英霊

世界大戦の記憶の再構築

著:ジョージ・L・モッセ
訳:宮武 実知子

紙版

内容紹介

第一次大戦の大量死を人々はいかに超克したか。仲間意識・男らしさの称揚、英霊祭祀等が「戦争体験の神話」を構築する様を緻密に描く。解説 今井宏昌===近代戦争による大量死はいかに克服され、それはどのような政治的帰結をもたらしたか。仲間意識や男らしさ、自由のための意義ある戦争――フランス革命以来、義勇兵が紡ぎ出し、詩や軍歌、文学作品等を通じて支持された神話は、記念碑や戦没者墓地によりシンボル化され国民に共有された。西欧諸国で起きた「戦争体験の神話化」はキリスト教や自然崇拝を取り込んで発展し、英霊祭祀によって死をも統合して、戦争への馴致と政治の残忍化を導いていく。それは第一次大戦後のドイツで頂点に達した……。18世紀末から第二次大戦後までを射程に、神話が犠牲に満ちた現実を覆い隠し、戦間期政治に影響する様を克明に描く。全面改訳。 解説 今井宏昌===戦争体験の神話化大量死の現実はいかにして克服されたか。フランス革命から第二次世界大戦後まで。===【目次】第一章 新しい戦争   Ⅰ 起盤となるもの第二章 義勇兵の戦争  1 革命戦争から解放戦争へ2 ギリシア独立戦争第三章 神話の創作  Ⅱ 第一次世界大戦第四章 青年と戦争体験  第五章 英霊の祭祀  1 神話とキリスト教2 埋葬地3 無名戦士の墓4 戦争モニュメント第六章 自然の流用  1 自然2 山3 空第七章 陳腐化の過程  1 玩具・絵はがき・子供たち2 演劇・映画・観光旅行Ⅲ 戦後の時代第八章 ドイツ政治の残忍化  第九章 戦争の継続  1 「新しい人間」 2 スペイン内戦3 平和主義第十章 第二次世界大戦、神話、戦後世代  1 断絶2 英霊祭祀の衰退3 顕彰から警告へ 訳者あとがき  解説 『英霊』の遺したもの(今井宏昌)  

目次

第一章 新しい戦争   Ⅰ 起盤となるもの第二章 義勇兵の戦争  1 革命戦争から解放戦争へ2 ギリシア独立戦争第三章 神話の創作  Ⅱ 第一次世界大戦第四章 青年と戦争体験  第五章 英霊の祭祀  1 神話とキリスト教2 埋葬地3 無名戦士の墓4 戦争モニュメント第六章 自然の流用  1 自然2 山3 空第七章 陳腐化の過程  1 玩具・絵はがき・子供たち2 演劇・映画・観光旅行Ⅲ 戦後の時代第八章 ドイツ政治の残忍化  第九章 戦争の継続  1 「新しい人間」 2 スペイン内戦3 平和主義第十章 第二次世界大戦、神話、戦後世代  1 断絶2 英霊祭祀の衰退3 顕彰から警告へ 訳者あとがき  解説 『英霊』の遺したもの(今井宏昌)  

著者略歴

著:ジョージ・L・モッセ
ジョージ・L・モッセ(George L. Mosse)1918-99年。ベルリン生まれ。ウィスコンシン大学・ヘブライ大学名誉教授。専門はドイツ社会史。1933年ナチスの迫害を逃れて亡命。37年ケンブリッジ大学入学。39年にアメリカ移住後、ハーヴァード大学で博士号を取得。著書に『大衆の国民化』(ちくま学芸文庫)などがある。
訳:宮武 実知子
宮武実知子(みやたけ・みちこ)1972年京都市生まれ。文筆業。京都大学大学院博士課程単位取得退学(社会学)。日本学術振興会特別研究員(国際日本文化研究センター)などを経て、2008年沖縄移住。

ISBN:9784480510785
出版社:筑摩書房
判型:文庫
ページ数:416ページ
定価:1400円(本体)
発行年月日:2022年01月
発売日:2022年01月08日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:NHD
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:1DFG