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ちくま文庫 こ-57-1

熊の肉には飴があう

著:小泉 武夫

紙版

内容紹介

熊鍋、兎飯、筍鉄砲焼き、ヨシノボリたたき
冬泥鰌筏焼き、錆鮎赤煮、沢蟹ドレッシング……
里山をまるごといただく
90皿のうま汁小説 

飛?の古川に、全国から舌の肥えた客が詰めかける一軒の名料理茶屋がある。その名は「右官屋権之丞」。飛?の匠の末裔が、匠の心はそのままに、鑿を包丁に持ち替えて開いた店だ。扱う食材は、鳥獣、川魚、山菜など周囲にある自然の恵みや、塩鯨など歴史的に用いられてきた素朴な食材のみ。しかし、その素材を活かし切る技法が想像を絶する一皿を生む。
ちくま文庫オリジナル。

目次

一  飛?の匠と「右官屋権之丞」 
二  野兎と雉
三  錆鮎
四  茸と蝮
五  野飼いのシャモ鍋
六  水に沈むトマト
七  絶頂の熊鍋
八  魔性の猪
九  秘伝・野鳥料理の仕方
一〇 漬物お静
一一 濁酒先生
一二 誠也の祝儀
一三 春来たる
一四 からいはうまい
一五 客よ、いつまでも
一六 若女将の才覚
一七 土籠りの泥鰌
一八 厨房の四人
一九 雪囲いの魔法
二〇 清流からの恵み
二一 幽寂の菜飯
二二 鯨と家訓
二三 山蜜

著者略歴

著:小泉 武夫
小泉武夫(こいずみ・たけお):1943年、福島県の造り酒屋に生まれる。東京農業大学名誉教授。専門は醸造学・発酵学・食文化論。専門的な話を、分かりやすく伝える達人。また食の未来を中心に、日本が抱える多くの大問題に挑んでいることから、「箸(★正字)を持った憂国の士」と評される。140冊を超える著作があり、小説も『猟師の肉は腐らない』、『魚は粗がいちばん旨い』など、専門的な知識に裏付けられた独自の作品が多数ある。

ISBN:9784480438973
出版社:筑摩書房
判型:文庫
ページ数:288ページ
定価:800円(本体)
発行年月日:2023年07月
発売日:2023年07月10日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:FB