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ちくま文庫 ふ-58-1

怪を訊く日々 怪談随筆集

著:福澤 徹三

紙版

内容紹介

生者の言葉でこの世のすべては語れない――。日常の狭間にひそむ「怪異」を体験者たちから聴き集める。怪談実話の名手の原点。解説 朝宮運河生者の言葉でこの世のすべては語れない日常の狭間にひそむ「怪異」を体験者たちから聴き集める――怪談実話の名手の原点。科学技術がめざましい進歩を遂げた現代においても、怪異の体験者はあとを絶たない。異形の者の来訪、説明のつかない不可思議な現象、確率的にありえないシンクロニシティ。ふだんは忘れているけれど、誰の意識の奥底にもそんな記憶がひそんでいる。体験者たちが語った怪異を、怪談実話の名手が淡々とした筆致で綴る。書き下ろしあとがきを加えた新装版。

目次

まえがき一、忘れられた記憶鳴き声祭壇の顔踏切の女三面鏡花嫌い  二、怪の棲む場所スタジオ霧借家コンビニの女客の背中炭鉱刀黒い羽織水しぶきガードレールの女銀杏の樹湖悪い土地骨の上には三、怪を見るひと女の顔影青いスカート髪の毛叫ぶ父やまにある美術館の男三つの顔猫のくる庭ほんとうの娘怪談麻雀祀られた車チューブラベルズ四、学生時代階段の少年水面に立つひと天井の染み倒れた墓線香の匂い廃校記念写真蛇五、怖い宿光の玉壁際の布団歌声経の壁戸棚のなか孤島の宿琵琶の音六、再会誕生日白い猫おれが殺した七五三の写真優等生緑色の男帰ってくる祖母七、夢当たるなけがでいく小指をくれ葬列おまえを連れていく津波八、いにしえの怪人柱井戸の男水浴び踏絵を踏んだ男鬼九、タクシー足跡相乗り偶然異臭  十、酒場にて解体人形のある店常連客赤い眼廃ビル  あとがき文庫版あとがき新装版あとがき解説 朝宮運河

著者略歴

著:福澤 徹三
福澤 徹三(ふくざわ・てつぞう):1962年、 福岡県生まれ。ホラー、怪談実話、クライムノベル、警察小説など幅広いジャンルの作品を手がける。2008年、『すじぼり』で第10回大藪春彦賞受賞。著書に『黒い百物語』『忌談』『怖の日常』『怪談熱』『S霊園』『廃屋の幽霊』『しにんあそび』『灰色の犬』『群青の魚』『羊の国の「イリヤ」』『そのひと皿にめぐりあうとき』ほか多数。『東京難民』は映画化、『白日の鴉』はテレビドラマ化、『Iターン』『俠(★正字)飯』はテレビドラマ化・コミック化された。

ISBN:9784480438836
出版社:筑摩書房
判型:文庫
ページ数:288ページ
定価:880円(本体)
発行年月日:2023年06月
発売日:2023年06月12日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:FK