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教育からみる南アジア社会 -交錯する機会と苦悩

監:押川 文子
他編著:小原 優貴
他編著:茶谷 智之

紙版

内容紹介

文化的・社会的多様性を抱える南アジア諸国における教育は、グローバル化が進む世界のなかで新たな課題に直面している。様々な分野を専門とする21名の執筆陣が、国家、市民組織、宗教、民族、カースト集団、女性、障がい児、貧困層など、多様なアクターの視点から教育の実情をとらえ、その意義や問題点、そして展望を探る。

目次

第Ⅰ部 学びの風景
第1章 どの学校に通ったか―公立学校と私立学校の光景にみるネパールの学校間格差(安念真衣子)
第2章 ムンバイーのインターナショナルスクールと子育て事情―富裕層の「至れり尽くせり育児」と中間層の「チャレンジ育児」を垣間見て(深町澄子)
第3章 パキスタンの「ベンガリー」の子どもたちと教育―ノンフォーマル小学校での学び(小野道子)
第4章 子どもの描いた絵―インドの公立保育施設アーンガンワーディー・センター(茶谷智之)
第5章 インドの学校行事と文化―デリーの私立学校における教室外の学びの風景(小原優貴)
第6章 みんなで一緒に食べるランチ―世界最大のインドの給食制度(辻田祐子)
第7章 成功物語としての教師を見つめる子ども―スリランカ茶農園地域の教育(古田弘子)
第8章 バングラデシュ女子学生たちのブルカー戦略―ムスリムアイデンティティと社会進出の両立(南出和余)

第Ⅱ部 教育熱
第9章 「教育熱」は幼児に何を与えるか―バングラデシュにおける過熱化する私立の就学前教育(門松愛)
第10章 街道沿いのカレッジ群―インドの地方都市における教育産業(押川文子)
第11章 ドバイにおけるインド系外国大学分校の展開(中島悠介)
第12章 「大衆化」するインドの高等教育と高学歴者の就職難(佐々木宏)
第13章 過熱する大学受験競争―「公平」な大学入学者選抜制度とインドのゆくえ(渡辺雅幸)
第14章 インドのRTE法はスラムの子どもたちにどのような影響をもたらしたか(辻田祐子)
第15章 中等教育の壁―インドのスラムの若者はどこに向かうのか(茶谷智之)
第16章 インドにおける児童養護施設出身者の移行過程―施設を出た若者の教育と就業への支援とアフターケアの導入(針塚瑞樹)

第Ⅲ部 言語―階層・国家・グローバリゼーション
第17章 多言語国家パキスタンにおけるウルドゥー語教育の選択(須永恵美子)
第18章 ベンガル・ミディアム(ベンガル語での教育)―バングラデシュにおけるナショナリズムとグローバリズムの狭間で(南出和余)
第19章 ブータンにおける英語の優位性―国語が苦手なお国事情(平山雄大)
第20章 ポスト植民地インドの英語教育(野沢恵美子)
第21章 口話・手話、教授言語とインドの聴覚障害教育(古田弘子)
第22章 ネパールの識字教育にみる言語と文字の複層性(安念真衣子)
第23章 英語・グローバリゼーション・エンパワーメント―インド北東部ナガの若者を事例に(太田哲)

第Ⅳ部 教育と市民形成の諸相―国家と社会のかかわり
第24章 インドの歴史教育と政治―政権に翻弄される歴史教科書(澤田彰宏)
第25章 パキスタンにおける学校教科書のなかの多文化共生(須永恵美子)
第26章 教育のブータン化―新たな教育に向けた取り組み(平山雄大)
第27章 イスラームの現代化とムスリムネス―バングラデシュのマドラサを中心に(日下部達哉)
第28章 誰が貧困層の教育を担うのか―インドの低額私立学校の拡大と新政権の公立学校改革(小原優貴)
第29章 アンベードカルとダリトの教育(牛尾直行)
第30章 多様性と現実―インド国家と北東部少数民族(太田哲)
第31章 インドにおけるジェンダー規範と農村の女性の教育(野沢恵美子)

 より深く学びたい人のための参考文献・資料

ISBN:9784472406225
出版社:玉川大学出版部
判型:A5
ページ数:263ページ
価格:2500円(本体)
発行年月日:2022年03月
発売日:2022年04月14日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JNB