許されざる絆
著:里見吉祥
紙版
内容紹介
1920年、ハンガリー系移民の一家に男の子が生まれた。ジェイコフと名付けられた彼は両親を失い、過酷な生活を強いられる。その後、養護院で暮らしていたがガルシェスク伯爵に養子として引き取られる。これが彼の運命を一変させることになる。野心家のガルシェスクは、政界へ進出し、ついにはアルドニア王国の大統領に上り詰める。弱小国であるがゆえ、大国の思惑に翻弄され、次第に独裁色を強めていく。ジェイクは伯爵家を離れ、広く世間を見、様々な人に出会い、心身共に成長し、やがて反体制運動に身を投じる。実子同様に慈しみ、正しい道を説いてくれた義母、明晰な義弟に反目する義兄、ひそかにジェイクを慕う義妹。ジェイクを取り巻く人々の様々な思いが渦巻く中、物語はラストに待つ「運命」に向け加速していく。第2次世界大戦を背景に史実を踏まえつつ、虚実を巧みに織り上げ、人間の愛と憎しみ、友情と恋、正義と悪を描いた渾身の超大作!
目次
プロローグ/第一章 養子(一九三〇年~)/第二章 予兆(同)/第三章 策略(一九三三年~)/第四章 自立(一九三九年~)/第五章 闘争(一九四〇年~)/第六章 自由(一九四五年~)/エピローグ