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記憶から思考への道

著:深井了

紙版

内容紹介

 思考は基本的には記憶を素材として、基礎として成り立っているとしていいであろう。しかし、デカルト以来、近代哲学は絶対的真理を求めるとして、記憶を排除してきたのである。記憶はあいまいで、忘却により無化し、絶対的真理を求めるうえで不必要、入ってはいけないものとされてきたのである。カントの先手的、先験的という概念も、経験からの記憶を取り除いたものとして存在しているのだ。
 しかし、デカルトの絶対的真理の出発点とされる「我思う故に我あり」も「我思う」を記憶していて、はじめて成立しているはずである。日常生活においては、読者も、一字一句を記憶しながら進んでいるはずである。

目次

目 次
序 論    1
第一章 世界と記憶と意味    13
第二章 対象の意味    63
第三章 記憶と表象    127
第四章 忘却の構造    165
第五章 表象の変形    205
第六章 思考への基盤    385
第七章 思考への第一歩    449
第八章 生活の中での思考    483
第九章 了解性と思考    587
第十章 了解性と対象=意識と思考   
終わりに    683
参考文献

著者略歴

著:深井了
【主な著書】『末期資本主義と〈帝国〉の構造』秋山書店、2010年 『非実態経済資金と新世界恐慌』秋山書店、2011年 『“悪魔の手”が世界経済を支配する』秋山書店、2012年 『一般理論』と剰余価値理論』翔雲社、2015年 『認識と記憶の構造』近代文藝社、2015年 『記憶と、その力』 翔雲社、2018年 『言語と意味と記憶』 翔雲社、2020年

ISBN:9784434307140
出版社:翔雲社
判型:A5
ページ数:698ページ
定価:1900円(本体)
発行年月日:2022年12月
発売日:2023年01月11日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:VSP