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神戸平民倶楽部と大逆事件

岡林寅松・小松丑治とその周辺

著:上山 慧

紙版

内容紹介

日本近現代史、近代社会運動史などの研究者である著者は、序文で「神戸における社会主義運動の始まりとその背景から、同地での本格的な社会主義組織である『神戸平民倶楽部』の活動と、その倶楽部員である岡林寅松と小松丑治がどのようにして大逆事件に連座していったのかを明らかにしていく……それは、神戸の知られざる近現代史を明らかにするだけではなく、東京の平民社で本格的に始まった社会主義運動がどのようにして地方で広がりや深まりをみせたのか、そして各地の大逆事件のなかでも最もフレームアップが甚だしいとされている神戸の事件の解明を通じて、大逆事件の真実の一端を明らかにすることにもつながるはずである」と主張する。大学院修士課程の頃からの記録調査や先行研究・新資料をひもときながら7年がかりで集成。大逆事件刑死から110年めを迎え、全国各地で連座者の名誉回復・顕彰運動が続けられるなかでの刊行。

目次

《第Ⅰ部》第1章:草創期の社会主義運動と神戸/第2章:神戸平民倶楽部の結成/第3章:大阪平民社との交流/《第Ⅱ部》第4章:社会主義運動の分裂とその影響/第5章:明治四〇年ごろの神戸平民倶楽部の活動/第6章:最後の倶楽部動向/第7章:神戸平民倶楽部の会員たち/《第Ⅲ部》第8章:大逆事件の波及/第9章:内山愚童の「皇太子暗殺計画」と神戸/第10章:公判と判決/《第Ⅳ部》第11章:堺利彦と荒畑寒村の神戸訪問をめぐって/第12章:仮出獄後の岡林寅松と小松丑治の生活/第13章:『新仏教』における井上秀天の論説/【資料編】Ⅰ:神戸平民倶楽部関係/Ⅱ:「幸徳秋水 大逆事件の同志 岡林寅松と語る」

著者略歴

著:上山 慧
1992年 大阪府箕面市生まれ。2014年 大谷大学文学部歴史学科卒業。2019年 大谷大学大学院文学研究科仏教文化専攻博士後期課程修了。博士(文学)。関西学院大学非常勤講師、管野須賀子を顕彰し名誉回復を求める会事務局長、大逆事件を明らかにする兵庫の会世話人、治安維持法犠牲者国家賠償要求同盟大阪府本部理事・池田箕面支部幹事。大逆事件の真実をあきらかにする会、初期社会主義研究会、関西唯物論研究会、大阪民衆史研究会、神戸史学会などの会員。専攻は日本近現代史、近代日本社会運動史、近代日本仏教史、被差別部落史など。共著『管野須賀子と大逆事件 自由・平等・平和を求めた人びと』(せせらぎ出版 2016年)

ISBN:9784434298172
出版社:風詠社
判型:4-6
ページ数:430ページ
定価:2273円(本体)
発行年月日:2021年12月
発売日:2022年01月05日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JB