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住民投票とデモクラシー

著:土井 淑平

紙版

内容紹介

本書は住民投票をテーマに、デモクラシーの歴史をかけ足でたどったブックレットである。住民投票が脚光を浴びたのは、原発を止めた1996年の新潟県巻町の住民投票だが、以後、原発、基地、産廃、空港、可動堰など問題を抱える自治体に波及していく。最近、大阪維新の会の大阪都構想が、二度にわたる住民投票で否決されたことは、周知の通りだ。今日の間接民主主義のもとでは、主権者の市民は選挙が終わると直ちに主権を失い、政治の外野席に遠ざけられる。政治を独占する政府(首長)・議会・政党は機能不全に陥り、政治は閉塞してしまう。この事態を打開し、政治を主権者である市民の手に取り戻すのが、直接民主主義の申し子の住民投票である。本書は内外の膨大なデータを凝縮して紹介しつつ、日本と世界の住民投票とデモクラシーの歴史を平易に解説する。日本は世界の主要国並みに住民投票の法制化が急務だが、住民投票は日本の政治を変える力を持つ。

目次

はじめに/第一部住民投票 第一章住民投票条例の制定で原発を阻止/第二章日本の住民投票/第三章住民投票の法制化に向けて/第四章世界の住民投票/第五章アメリカとドイツの参考例/第六章原発をめぐる住民投票/第二部デモクラシー 第一章古代ギリシアの都市国家/第二章中世ヨーロッパの自由都市/第三章中世から近代のスイスの直接民主政と半直接民主政/第四章直接民主政から代表民主政へ/第五章代表民主政と市民革命/第六章「デモクラシーの世紀」とレファレンダム/あとがき

著者略歴

著:土井 淑平
鳥取市生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。政治思想専攻。元共同通信記者。市民活動家。四日市公害(1960年代)川内原発建設反対運動(1970年代)青谷原発立地阻止運動(1980年代)人形峠周辺ウラン残土撤去運動(1980年代~2000年代)等に取り組む。著書に『反核・反原発・エコロジー-吉本隆明の政治思想批判』(批判社、1986年)小出裕章との共著『人形峠ウラン鉱害裁判』(批判社、2001年)『アメリカ新大陸の略奪と近代資本主義の誕生』(編集工房朔発行、星雲社発売、2009年)『終わりなき戦争国家アメリカ』(同左、2015年)『中沢新一と吉本隆明』(総合印刷出版発行、星雲社発売、2016年)等。

ISBN:9784434293351
出版社:綜合印刷出版
判型:B6
ページ数:132ページ
定価:1000円(本体)
発行年月日:2021年08月
発売日:2021年08月23日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JPT