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心理臨床に活かすスピリチュアルケア

編:瀧口 俊子
編:大村 哲夫
編:松田 真理子

紙版

内容紹介

本書は、心理臨床に不可欠であるスピリチュアリティの理解とスピリチュアルケアについて、その理論と実際を具体的に解説する。
心理臨床において、ターミナルケアなど死に直面する人へのかかわりにおいてはもちろん、大切な人を亡くした人、人生の選択に悩む青年期の人、人生の転機にいる壮年期の人、老いに向き合う高齢期の人、生きることそのものに悩む人への支援など、様々な人生の場面にいる人々の支援の場で、現在の問題に向き合うことを通してさらに深く広く生きることに取り組むスピリチュアルケアが重要である。
序章では、スピリチュアリティ・スピリチュアルケアとは何かをあらためて概観し、第1章~終章では、心理臨床家と医師がそれぞれの臨床経験などを踏まえながら、各々の立場から心理臨床におけるスピリチュアリティ・スピリチュアルケアについて広く深く想い巡らせ考察する。また、各章の間にある15のエッセイでは、心理臨床家、医師、各分野の研究者、作家、弁護士が様々な観点からスピリチュアルケアについて述べる。

目次

この本について――心理臨床に活かすスピリチュアルケアとは……大村哲夫

序 章 スピリチュアリティ、スピリチュアルケアとは何か……島薗 進

第1章 宗教性/スピリチュアリティに開かれた心理臨床――生と死の共存する世界に生きる認知症患者の穏やかな死……大村哲夫

チーム医療で行う『いのちのケア』……沼口 諭
たましいの表現を受け止める……藤巻るり
「見えないもの」のその先へ……豊田園子      

第2章 心理臨床実践におけるスピリチュアルケアの臨床的意義……松田真理子 

生きる――闘病記……生田 孝
スピリチュアリティとオーセンティシティ――「本当の自分」をめざして……井原 裕
物語とスピリチュアリティー――『地球の秘密』と『あなたの呼吸が止まるまで』から……岩宮恵子

第3章 私の統合的心理療法とスピリチュアルケア……倉光 修

出会いと別れ、生まれ出る願い……宮原亮子
喪失の闇に微かな光が灯るとき……名合雅美

第4章 ノブレス・オブリージュ――「失われた基音」としてのスピリチュアルペイン……岸本寛史

臨床実践の現場でスピリチュアリティや宗教をどう扱うか……葛西賢太
「わからない」を温める……西平 直

第5章 心の声に耳を澄ます――精神科医からみたスピリチュアルケア……和田 信

子どもらしさを回復するためのスピリチュアルな表現について……桜井亮平
力のある図案を作るための術について……梨木香歩

終 章 ソウル・メイキング……瀧口俊子

コロナ、クマ、ケア……鎌田東二
真正なる心理療法は、それ自体、スピリチュアルなケアである――成人対象の開業心理療法の立場から……諸富祥彦
カウンセラーに期待すること……紀藤正樹

あとがき……松田真理子

著者略歴

編:瀧口 俊子
立教大学大学院文学研究科修了・京都大学研修員。立教女学院短期大学教授、京都文教大学教授、放送大学大学院教授などを経て、放送大学名誉教授。病院心理臨床・私設心理臨床・教育(保育)心理臨床などに従事。日本臨床心理士資格認定協会顧問。日本スピリチュアルケア学会副理事長。日本臨床宗教師会副会長。臨床心理士。日本心理臨床学会学会賞受賞。著書に『共に生きるスピリチュアルケア』(共編著、創元社)、『心理臨床とセラピストの人生』(監修、創元社)、『子どもと生きる心理学』(法藏館)、『夢との対話』(トランスビュー)など。
編:大村 哲夫
東北大学大学院文学研究科修了、博士(文学)。東北大学大学院文学研究科助教・准教授を経て現在上智大学グリーフケア研究所特任教授。日本スピリチュアルケア学会理事。宗教心理学・死生学、グァテマラ・マヤ民族の宗教と文化を研究。在宅緩和ケア・教育心理臨床などに従事。日本臨床宗教師会理事。臨床心理士・公認心理師・指導スピリチュアルケア師・臨床宗教師。著書に『共に生きるスピリチュアルケア』『心理臨床とセラピストの人生』(ともに共編著、創元社)、『宗教を心理学する』(共著、誠信書房)など。

ISBN:9784422118307
出版社:創元社
判型:A5
ページ数:248ページ
定価:3200円(本体)
発行年月日:2024年07月10日
発売予定日:2024年07月11日