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子どもの敏感さに困ったら読む本

児童精神科医が教えるHSCとの関わり方

著:長沼 睦雄

紙版

内容紹介

テレビ、ツイッターで話題!
この本を読めば、敏感さ(HSP/HSC)がわかる!

□すぐにびっくりする
□いつもと違う臭いに気づく
□興奮したあとはなかなか寝つけない
□たくさんのことを質問する
□服がぬれたり、砂がついたりすると、着替えたがる
□うるさい場所を嫌がる

……もしも1つでも当てはまるのなら、その子は「敏感すぎる」子どもかもしれない。

「なんだかママが悲しそう」、「あの人は嘘を言っている」……。
感受性が鋭く、ほかの子が気づかないことを察して1人で気をもんでしまう「敏感すぎる」子どもたちがいる。

5人に1人といわれる敏感気質=HSP(Highly Sensitive Person)。

HSPの子ども版であるHSC(Highly Sensitive Child)は、小さなことを気にして傷ついてしまったり、
ほかの子どもが難なくやってのけることに抵抗を感じてできなかったり、友達ができなかったり、
ふだんはおどおどしているくせに、ふとしたときに大人がぎょっとするような鋭いことを言ったり。
大人や周囲の子どもたちから「ちょっと変わってる」と思われている、
あるいは、それを隠そうとして「いい子」を演じている子どももいる。

でもその敏感さは、その子が弱いのではなく、わがままなのでもなく、生まれ持った気質なのです。

HSPの子どもたちは、理解のない大人から「扱いにくい」「育てにくい」と煙たがれることも多い。
そしてそういった大人のマイナス感情は、まだ自我の弱い鋭敏な子どもたちの心の中にどんどん入り込み、
自分は面倒な子、ダメな子、と自らを否定し続け、やがて問題をかかえた「生きづらい大人」として成長してしまうのだ。
不安障害や愛着障害、解離性障害など精神疾患を併発してしまうこともある。

一方、HSCの豊かな感受性や直感力は、上手に伸ばせば芸術性の高い仕事やクリエイティブな仕事、
人の繊細な心を扱う仕事、根気のいる研究の仕事など、世の中に貢献する大きな才能につながるケースが多いのも事実。
HSPは生まれつきなのだから、神経質で、敏感すぎるのも生まれつき。
敏感さを克服させるのではなく、長所としてとらえ、ありのままの個性を伸び伸びと生かしてあげることが、じつは大切なのだ。

母親か父親、学校であれば1人の先生でも、HSPの子どもを理解してあげられれば、子どもは救われるのです。

本書は、HSP/HSCの臨床医としての豊富な経験をもつ著者が、
敏感な子どもたちのさまざまな特徴や傾向を解説し、敏感気質を才能として輝かせる方法を紹介していく。

本書の一部をWEBマガジン「よみもの.com」にて無料公開中!

目次

はじめに

HSCかどうかを知るための、23のチェックリスト

第1章 敏感すぎ気質HSCの特性

よく泣く赤ちゃんはHSC?
テストで何項目当てはまるかよりも、どんな特性を持っているかを知ることが大事
本格的な診断には詳細なデータが必要
HSCの4大特性
みんながみんな内向的ではない
不安の回路が強いと、マイナス思考が強くなりやすい
発達を脳で診る視点
神経発達症(発達障害)とは高速道路が通行できない状態
自閉スペクトラム症はなぜ男児が多いのか
HSCの敏感さと自閉スペクトラム症の感覚過敏
感覚の過敏さだけではすくい取れないもの
HSCには、障がいのない子もいる、障がいを抱えた子もいる
不思議な感覚や力を持つ子たちもいる
障がいの捉え方に対する変化

第2章 困ったときの子育てアドバイス

01 子どもの「うまく対処できない」ことに親は悩む
02 これってただの敏感? それとも神経発達症?
03 皮膚感覚にはストレス反応がよくあらわれる
04 怖がりすぎを何とかしたい
05 悲しみやショックを引きずりやすい
06 褒めても喜ばない子には?
07 他の人の失敗で、泣いたり不安がったりする
08 いじめられっ子も、モデルがいると変わりやすい
09 言葉が出にくい
10  体を鍛えるならオススメは個人競技や武道系
11  勉強でつまずきやすいこと
12  感性を伸ばすためにはどんな習いごとがいいか
13  敏感すぎる子をかわいがれない
14  困ったらどこに相談したらいいか

第3章 敏感すぎて生きづらさを抱えてしまう子どもたち

いい子、共感性の高すぎる子が危ない!
まじめすぎる子が危ない!
自我がなく育った「自分が空っぽ」な子が危ない!
自分を取り戻し、反転していくまでのプロセス
HSCって遺伝なの?
育つ環境が何よりも大事
みんな子どものときから苦しんでいる
発達性トラウマ
見落とされがちなきょうだい問題
学校の環境はどうするのがいいか
家庭問題に翻弄された子も危ない!
心身の荒れは、思春期に噴き出しやすい
思春期に起こりやすい恋愛トラブル
超感覚──異常ではなく超敏感だから感じとれてしまう
解離を否定していては、そこから抜け出せない
解離のパターン
なぜ、解離するのか

第4章 こじらせないために親がすべきこと

「内弁慶」というシグナル
自己肯定感を持つ
過保護、過干渉という名の「やさしい虐待」
境界性を侵されて育つとどうなるか
子どもを愛せない──負の連鎖
自分の中の男性性、女性性
自分自身の親との関係を振り返る
親を受け入れる、いまの自分を受け入れる
愛も憎しみも手放す
そのままでいい
吐き出すことの大切さ
親が敏感タイプではなかったら
子どもを信じる

第5章 その敏感さを「強み」にする

私の考えるHSC、HSP像
内面の豊かさがなかなか理解されない
凸凹をなくすのではなく、凸を伸ばそう
偏った脳──脳は代償機能が働く
敏感な人に多い能力「マインズ・アイ」
「できるはずない」を覆した人たち──ハンディの裏の才能
いいところを伸ばす「グッドライフ・モデル」
HSPやHSCは「敏感力」の人たち
優れた才能を活かせる社会に向かって
逆さまの見方をしたらどうなのか
常識をひっくり返す「べてるの家」
こだわりから自分を解き放つ
いまの自分に誇りと自己有能感を持つ
HSPが輝ける場

おわりに

付録 大人のためのHSPチェックリスト

著者略歴

著:長沼 睦雄
長沼 睦雄:十勝むつみのクリニック院長。日本では数少ないHSPの臨床医。昭和31年山梨県生まれ。北海道大学医学部卒業。脳外科研修を経て神経内科を専攻し、日本神経学会認定医の資格を取得。北海道大学大学院にて神経生化学の基礎研究を修了後、障害児医療分野に転向。道立札幌療育センターにて14年間小児精神科医として勤務。平成12年よりHSPに注目し研究。平成20年より道立緑ヶ丘病院精神科に勤務し、小児と成人の診療を行う。平成28年十勝むつみのクリニック開業。発達障害、発達性トラウマ、解離性障害などの診断治療に専念し、脳と心と体の統合的医療を行っている。著書に『活かそう!発達障害脳「いいところを伸ばす」は治療です。』(花風社)、『敏感すぎる自分を好きになれる本』『気にしすぎ人間へ クヨクヨすることが成長のもとになる』(ともに青春出版社)、『敏感過ぎる自分に困っています』(宝島社)などがある。

ISBN:9784416517888
出版社:誠文堂新光社
判型:4-6
ページ数:240ページ
定価:1300円(本体)
発行年月日:2017年06月
発売日:2017年06月17日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:VFD
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:MJ