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テキストカウンセリング入門

文字のやり取りによる心理支援

編:杉原 保史
編:原田 陸
編:長村 明子

紙版

内容紹介

メールやチャットなど、まとまった文章(テキスト)を継時的にやり取りするカウンセリングを概説した書。その特徴や強みを把握して活用できるよう、理論編と6つの事例で構成。相談現場でも、クライエントと何らかの手続き等をテキストによってやり取りすることが増えているいま、SNSカウンセリングや遠隔心理支援などでの返信時にもヒントとなる文例や情報を紹介。対面のみではないカウンリングの可能性の拡がりを、つかみ取ることができる。

目次

はじめに [杉原保史]
第Ⅰ部 理論編

Chapter 1 テキスト・カウンセリングとは [杉原保史]
 1.テキスト・カウンセリングとは
 2.文字によるコミュニケーション
 3.伝統的なカウンセリングのなかの「書く技法」
 4.自助本による介入(読書療法)
 5.テキストカウンセリングの特徴
 6.テキストによるコミュニケーションの弱みを補う工夫
 7.テキストカウンセリングにおけるメッセージの受けとめ

Chapter 2 治療的な文章表現の工夫 [杉原保史]
 1.テキストカウンセリングのおける文章表現
 2.言い回しの効果
 3.言葉選びの工夫
 4.メタメッセージ
 5.相談にあたっての不安への配慮
 6.非難のメタメッセージを避ける
 7.クライエントは合理的な存在
 8.まず額面どおりに受けとる
 9.「なぜ」より「いつ」「何が」
 10.問題よりも背後のニードを言葉に
 11.変化に開かれた言葉を使う
  Column――ちょっとした言葉の工夫──その1
 12.クライエントが環境に問題があると捉えていたら
 13.責任を軽くする記述の仕方
 14.葛藤の両面を穏やかに抱える
  Column――ちょっとした言葉の工夫──その2
 15.アドバイスをクライエント自身の考えとして記述する
 16.防衛を一時的に支持する
  Column――ちょっとした言葉の工夫──その3
 17.おわりに

Chapter 3 テキストカウンセリングの基本プロセス[長村明子]
 1.はじめに──クライエントの言葉から
 2.テキストカウンセリングに求められる基本スキル
 3.テキストカウンセリング表現集
 4.対応が難しい状況について
 5.まとめ

第Ⅱ部 事例編

Case A パワハラと見なされた悔しさ――60代男性,会社員 [本田山郁子]
Column――1回の返信にどれだけの内容を盛り込む? [杉原保史]

Case B 仕事も人間関係もうまくいかない――30代女性,パート社員 [辻田奈保子]
Column――文体について [杉原保史]

Case C 我が子を愛したい――30代女性,専業主婦 [門田竜乃輔]
Column――曖昧表現を使うべきところと避けるべきところ [杉原保史]

Case D 就職活動に始まる負の連鎖――20代男性,大学4年生 [磯貝麻由]
Column――外部サイトにある情報をリンクで活用 [杉原保史]

Case E 自分の気持ちが分からないことへの戸惑い――10代男性,大学生 [野口多香子]
Column――ビジネスの文章とプライベートな文章──親密性と冗長性 [杉原保史]

Case F 家に縛られた人生――20代男性,会社員 [杉原保史]

あとがき [原田陸]

著者略歴

編:杉原 保史
京都大学学生総合支援機構学生相談部門教授、日本心理療法統合学会副理事長
編:原田 陸
株式会社cotreeプラットフォーム事業部リーダー
編:長村 明子
大阪産業大学学生相談室

ISBN:9784414416961
出版社:誠信書房
判型:A5
ページ数:180ページ
定価:2200円(本体)
発行年月日:2023年08月
発売日:2023年08月31日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:MKM