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心理・教育・人事のためのテスト学入門

編:繁桝 算男

紙版

内容紹介

知能、不安、態度など実体のない構成概念を測定するためのテストについて、作り方、結果の利用方法、得点の統計的分析や評価などに関する理論や技法を統合する分野をテスト学という。
本書では、テスト学の基礎から最新理論、人事と臨床における活用場面まで幅広く解説する。
より深く理解するため、ソフトウェアや詳しい数理統計学的解説も付録として用意した。
テストの作成・実施・分析に携わるすべての人が理解を深めたい内容となっている。

目次

はじめに

1章 テストとは何か
 1.1 テストの定義
 1.2 ハイステークステストの例
 1.3 テストの種類
 1.4 テストの形式
 1.5 テストに望まれる性質
 1.6 読者へのアドバイス

2章 テストの作り方──能力・学力テストを中心として
 2.1 テストの作成手順
 2.2 テストの目的・用途を決める
 2.3 テストのフレームワーク(設計図)を作る
 2.4 テスト項目の作成
 2.5 予備テスト
 2.6 テストの編集
 2.7 テスト結果の報告、解釈基準やマニュアルの作成

3章 テスト得点の統計的分析
 3.1 はじめに
 3.2 真の得点と推定
 3.3 信頼性係数の推定
 3.4 妥当性の考え方
 3.5 基準関連妥当性
 3.6 因子的妥当性
 3.7 構成概念妥当性
 3.8 結果的妥当性
 3.9 項目反応理論(IRT)
 3.10 まとめ

4章 等化とリンキング──複数のテスト尺度を共通化するために
 4.1 複数の尺度を共通の尺度にまとめる意義
 4.2 等化デザインと等化の目的
 4.3 リンキング
 4.4 まとめと課題

5章 テストのコンピュータ利用──eテスティング
 5.1 はじめに
 5.2 項目バンク
 5.3 eテスティング・システムの構成
 5.4 テスト自動構成
 5.5 項目露出と項目劣化
 5.6 等質適応型テスト
 5.7 まとめ

6章 パフォーマンステストと自動採点AI
 6.1 はじめに
 6.2 パフォーマンステストにおけるバイアス
 6.3 自動採点AI──記述・論述式テストの自動採点
 6.4 まとめ

7章 人事におけるテストの利用
 7.1 採用選考のプロセスとテスト
 7.2 採用選考におけるテストの実践
 7.3 採用選考における適性テストの課題
 7.4 採用選考における妥当性検証
 7.5 適性テストの社会性
 7.6 採用選考における適性テストの源流
 7.7 まとめ──今後に向けて

8章 臨床におけるテストの利用──自閉スペクトラム症(ASD)の臨床を中心として
 8.1 はじめに
 8.2 発達障害の支援のためのテストバッテリー
 8.3 ASDのテスト
 8.4 架空事例から発達障害のテストを考える
 8.5 まとめ

付録A 日本で利用されている主なテスト
 A.1 臨床系で用いられている主なテスト①
 A.2 臨床系で用いられている主なテスト②
 A.3 人事系で用いられている主なテスト
 A.4 教育・資格系で用いられている主なテスト
付録B テスト得点分析のためのソフトウェアと扱うことのできるモデルの概要
 B.1 無料で手に入るもの(フリーソフトウェア)
 B.2 商用ソフトウェア
 B.3 扱うことのできるモデルおよび分析手法について
付録C テスト理論の数理統計学的説明
 C.1 数式の記号
 C.2 付録Cのねらい
 C.3 統計的推論
 C.4 古典的テスト理論のモデル
 C.5 信頼性の定義
 C.6 真の得点の推定
 C.7 信頼性係数の推定
 C.8 クロンバックのα係数
 C.9 妥当性の定義
 C.10 テスト得点の欠損の取り扱い
 C.11 結果的妥当性の指標
 C.12 項目反応理論
 C.13 多次元項目反応モデル
 C.14 項目カテゴリへの反応のモデル
 C.15 各種モデルの選択

執筆者
繁桝算男【はじめに、1章、3章、付録A、付録C】
加藤健太郎【2章、付録A】
光永悠彦【4章、付録B】
植野真臣【5章】
宇都雅輝【6章】
二村英幸【7章、付録A】
黒田美保【8章、付録A】

著者略歴

編:繁桝 算男
東京大学名誉教授

ISBN:9784414300253
出版社:誠信書房
判型:A5
ページ数:238ページ
定価:2700円(本体)
発行年月日:2023年04月
発売日:2023年04月25日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JM