うたごえの戦後史
著:河西 秀哉
内容紹介
うたうこと、それはまずは娯楽であり、同時に常にそれ以上の何かでもあった。戦時には動員の手段として、戦後には市民運動や社会闘争の現場で、民主と平和の理念を担い、うたごえは響いていた。本書では日本近代以降、とくに敗戦から現在にいたる「合唱」の歴史を追う。うたごえ運動、おかあさんコーラス、合唱映画…。戦後史に新たな視角を切り拓く意欲作。
目次
序章 「うたう」近代の幕開け
第1章 レクリエーションのための歌――戦時体制のなかで
日中戦争前後の音楽
厚生運動のなかの合唱
職場のなかでの合唱――清水脩
合唱運動の現場から――秋山日出夫と津川主一
第2章 一緒に歌う合唱と民主主義
全日本合唱連盟の設立――「下から」わき上がったのか、「上から」組織されたのか
教育現場のなかで
戦前/敗戦後の価値観の揺れ
労働と職場の歌
高度経済成長と合唱
第3章 うたごえ運動の歴史
うたごえ運動の始まり
その政治性と社会運動との関わり
どのような曲が歌われたのか
みんなで一緒に歌うことの意味
うたごえ運動をめぐる官民の対立
第4章 おかあさんコーラスの誕生
おかあさんコーラスの誕生
おかあさんコーラスブーム
その後のおかあさんコーラス
第5章 メディアに見られるうたごえ
戦時と敗戦・民主主義の混沌
合唱の効果から個人に閉じる合唱へ
合唱のイメージとみんなで歌うことの意味
おかあさんコーラスが歌うこと
合唱が持っている力
終章 うたごえの戦後史――まとめにかえて
あとがき
ISBN:9784409520642
。出版社:人文書院
。判型:4-6
。ページ数:204ページ
。定価:2200円(本体)
。発行年月日:2016年10月
。発売日:2016年11月02日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:AVP。