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うたごえの戦後史

著:河西 秀哉

紙版

内容紹介

うたうこと、それはまずは娯楽であり、同時に常にそれ以上の何かでもあった。戦時には動員の手段として、戦後には市民運動や社会闘争の現場で、民主と平和の理念を担い、うたごえは響いていた。本書では日本近代以降、とくに敗戦から現在にいたる「合唱」の歴史を追う。うたごえ運動、おかあさんコーラス、合唱映画…。戦後史に新たな視角を切り拓く意欲作。

目次

序章 「うたう」近代の幕開け

第1章 レクリエーションのための歌――戦時体制のなかで
  日中戦争前後の音楽
  厚生運動のなかの合唱
  職場のなかでの合唱――清水脩
  合唱運動の現場から――秋山日出夫と津川主一

第2章 一緒に歌う合唱と民主主義
  全日本合唱連盟の設立――「下から」わき上がったのか、「上から」組織されたのか
  教育現場のなかで
  戦前/敗戦後の価値観の揺れ
  労働と職場の歌
  高度経済成長と合唱

第3章 うたごえ運動の歴史
  うたごえ運動の始まり
  その政治性と社会運動との関わり
  どのような曲が歌われたのか
  みんなで一緒に歌うことの意味
  うたごえ運動をめぐる官民の対立

第4章 おかあさんコーラスの誕生
  おかあさんコーラスの誕生
  おかあさんコーラスブーム
  その後のおかあさんコーラス

第5章 メディアに見られるうたごえ
  戦時と敗戦・民主主義の混沌
  合唱の効果から個人に閉じる合唱へ
  合唱のイメージとみんなで歌うことの意味
  おかあさんコーラスが歌うこと
  合唱が持っている力

終章 うたごえの戦後史――まとめにかえて

あとがき

著者略歴

著:河西 秀哉
1977年愛知県生まれ。名古屋大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(歴史学)。現在、神戸女学院大学文学部准教授。 著書 『「象徴天皇」の戦後史』(講談社選書メチエ、2010年) 『皇居の近現代史 開かれた皇室像の誕生』(吉川弘文館、2015年) 『明仁天皇と戦後日本』(洋泉社歴史新書y、2016年) 編著 『戦後史のなかの象徴天皇制』(吉田書店、2013年) 『日常を拓く知2 恋する』(世界思想社、2014年)

ISBN:9784409520642
出版社:人文書院
判型:4-6
ページ数:204ページ
定価:2200円(本体)
発行年月日:2016年10月
発売日:2016年11月02日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:AVP