江戸の茶碗
まっくら長屋騒動記
著:中島 要
紙版
内容紹介
時代小説界期待の新星が描く、笑って泣ける人情噺!
贋茶道具事件、夜の雪隠に出る“鬼”、吉原通いがやめられない若旦那の縁談…
頼みの綱は赤目勘兵衛、貧乏長屋で一番の怠け者だった!
飲んだくれ“先生"、獅子奮迅!
「ひゅんひゅんと気持ちよく伸びている著者の、元気な最新作!」
書評家・東えりかさんもイチ押し!
まっくら店(だな)と馬鹿にされる貧乏長屋に住むお初と、兄の太吉。浅草で小間物屋を営んでいた両親が騙されて店を失い、悲嘆に暮れて亡くなったのは二年前のこと。残された兄妹は「必ず店を買い戻そう」と固く誓いあっていた。
ひょんなことから太吉は、名品“井戸の茶碗"を入手する。だが、二十両の有り金をはたいたその茶道具は、真っ赤な贋物だった。弱り果てた兄妹に声をかけたのは隣りに住む浪人、赤目勘兵衛。我楽多茶碗を誰かに売ってやるという。日がな一日酒びたりの勘兵衛にどんな策が!? 貧乏比べじゃ人後に落ちない住人ばかり。取り得は店賃の安さだけ。芝神明の長屋を舞台に描く新世代の人情時代小説!
目次
江戸の茶碗
寝小便小僧
遺言
真眼
嫁入り問答
いじっぱり
男と女の間