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入門山頭火

著:町田康

紙版

内容紹介

ただの酒飲みか、偉大なる俳人か
流浪する民か、真実の僧か

作家・町田康が自由律の俳人・種田山頭火に向き合う。
その生涯と俳句をめぐる文芸エッセー。
これまでの評伝と一線を画す。

目次

第一部
解くすべもない惑ひを背負うて
分け入つても分け入つても 6
分け入らなければならなかったのはなぜか 12
親、ボンクラで 18
切っても切れぬ文芸と銭 25
落ち延びて熊本 36
百%非文人的行為 43
妻子置き去り、東京へ 51
句のために苦を求め 60
つきまとう銭の苦労 71
「僕ニ不治の宿痾あり」 80
離婚離婚離婚 89
自殺した母の記憶 96
弟・二郎までが…… 105
関東大震災に遭う 113
文学の根底にあるもの 122
もうひとりの救世主 128
堂守のマージン 144
「尊敬してきよんねん」 153
惑ひの正体 162

第二部
読み解き山頭火
「分け入つても分け入つても青い山」 追い込まれて行く先 174
「まつすぐな道でさみしい」㊀ 人間の完成を目指して 186
「まつすぐな道でさみしい」 ㊁ なにがさほどにさみしいのか 198
「どうしようもないわたしが歩いてゐる」 ㊀ かなりしんどくなって 207
「どうしようもないわたしが歩いてゐる」 ㊁ 空しさ覚える 219
「酔うてこほろぎと寝てゐたよ」 ㊀ 酔中野宿 229
「酔うてこほろぎと寝てゐたよ」 ㊁ 俳句、澄んでいるか、濁っているか 240
「うしろ姿のしぐれてゆくか」 ㊀ 朽ちた法衣 249
「うしろ姿のしぐれてゆくか」 ㊁ 行乞の天国と地獄 259
「うしろ姿のしぐれてゆくか」 ㊂ 歩くのがいやになった 271
「うしろ姿のしぐれてゆくか」 ㊃ 自嘲 284

後書きにかえて 「行乞記」「其中日記」 301
略年譜 306
本文掲載俳句索引 311

著者略歴

著:町田康
作家。昭和3 7( 1 9 6 2 ) 年大阪府生まれ。昭和5 6( 1 9 8 1 )年「I N U 」のボーカリストとして歌手デビュー。平成9( 1 9 9 7 )年に小説『くっすん大黒』でドゥマゴ文学賞、野間文芸新人賞受賞。平成1 2 年( 2 0 0 0 )年に『きれぎれ』で芥川賞、平成1 3 ( 2 0 0 1 ) 年に詩集『土間の四十八滝』 で萩原朔太郎賞、平成1 7( 2 0 0 5 )年『告白』で谷崎潤一郎賞受賞するなど、著作・受賞歴多数。近著に『しらふで生きる 大酒飲みの決断』、日本最古の神話「古事記」を現代語訳した『口訳 古事記』が話題を集める。

ISBN:9784394904670
出版社:春陽堂書店
判型:4-6
ページ数:320ページ
定価:2000円(本体)
発行年月日:2023年12月
発売日:2023年12月05日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:DC
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:1FPJ