翻訳はめぐる
著:金原瑞人
内容紹介
翻訳はめぐる~Translator, Traveler~
翻訳家 兼 大学教員 40年、翻訳書 600冊―金原先生による公開講座!
言葉と文字の当たり前や思い込みを問い直すエッセイ集
翻訳からはじまり、英語、日本語、表記、古辞書、サリンジャーまで…華麗なる脱線
「翻訳なんてものは、言葉を信じていないからこそできるような気がしてならないのだ。だからこそ、言葉で伝えられるものは精一杯伝えたい」
目次
翻訳と言語
Ⅰ 翻訳家の悩みは尽きない
1 古びゆく翻訳
2 新訳の意義
3 翻訳は楽しくない
4 悩ましくもどちらでもいいこと
5 気になるところが違う
6 どちらでもよくないこと
7 やっかいな言葉
8 続・やっかいな言葉
9 言葉の裏にある事情
10 みんなやさしくなった
Ⅱ 支配的な英語、面倒な日本語
1 責められる英語
2 理想的な英語
3 英語ができなくてもいい時代
4 翻訳ソフトは使えるのか
5 母語ってなんだろう
6 日本語は不便なのか便利なのか
7 日本語ってそんなに大事?
表記と本
Ⅲ 縦書きか横書きかって、そんなに重要?
1 ピアスは右か左か?
2 「うどん」から「すぱげってぃー」へ
3 コミックはどうする?
4 鳥山明伝説
5 それでも絵は字に従う?
Ⅳ 幕末から明治にかけての日本語表記の楽しい混乱
1 いろんな文字、いろんな表記
2 左横書きと右横書き
3 ローマ字ってなんだろう?
4 縦書きの呪縛
5 左横書きの誕生
6 横書き・縦書きから離れて、楽しい辞書の話
7 宣教師の活躍―辞書の話
8 宣教師の活躍―聖書の話
Ⅴ もっと気楽に本、本、本
1 なんでカタカナ?
2 ルビという発明
3 ぼろぼろの本で発見
4 道具は作品を制限するか解放するか
Ⅵ エッセイ篇 J・D・サリンジャー
1 『キャッチャー・イン・ザ・ライ』の誕生と若者文化
2 『キャッチャー・イン・ザ・ライ』が好きなら
3 サリンジャーの描くグラース家
4 サリンジャーと戦争
5 ベビーブーマーからミレニアム世代へ―若さという神話
あとがき