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渾沌の恋人(ラマン)

北斎の波、芭蕉の興

著:恩田 侑布子

紙版

内容紹介

荒川洋治氏推薦!――【詩歌の全貌を知るための視角と、新しい道筋を、鮮やかな絵巻のように描き出す。重点のすべてにふれてゆく、大きな書物だ。】

あった、何が、興奮が。分断を超える日本文化論!

透徹したまなざしから濃やかに紡ぎ出されるエクリチュール。俳句を超え、芸術表現の諸相をダイナミックに往還し、日本人の美意識の深遠に迫る、斬新な芸術評論・日本文化論。芸術選奨文部科学大臣賞・Bunkamuraドゥマゴ文学賞受賞者、八年がかりのたましいの結晶。

目次

プロローグ 芭蕉の恋
第一章 心身と遊
Ⅰ 身幅の思い
Ⅱ 北斎の「なりかわる」絵
Ⅲ 二十世紀思想家の時間論 
Ⅳ いにしえ人の鼓舞
Ⅴ 日本の美と時間のパラドクス
Ⅵ 芭蕉――宇宙のエロス
Ⅶ つきぬける遊び 
第二章 定型と呪
Ⅰ 結んでひらいて
Ⅱ 人と時のコレスポンダンス
第三章 季語と興
Ⅰ 幽明界つづれ織
Ⅱ 興の再生
Ⅲ 興とアニミズム
第四章 切れと余白
Ⅰ なりかわり合うこころ
Ⅱ 切れと金雲
終章  水、呼び交わす
Ⅰ 無常と異界 
Ⅱ 二股大根のほほえみ
あとがき

著者略歴

著:恩田 侑布子
俳人・文芸評論家。1956年9月、静岡市生まれ。早稲田大学第一文学部文芸専攻卒。「酔眼朦朧湯煙句会」、連句「木の会」に終会まで所属。攝津幸彦の「豈」同人を経て、現在「樸(あらき)」代表。
日本文藝家協会会員、現代俳句協会賞選考委員、神奈川大学全国高校生俳句大賞選考委員。
国際交流基金の援助のもと、パリ日本文化会館客員教授としてコレージュ・ド・フランスを始め、リヨン、エクスマルセイユの大学などで6回の講演をおこなう(2014年、2019年)。
句集に『イワンの馬鹿の恋』、『振り返る馬』、『空塵秘抄』、『はだかむし』。評論に『余白の祭』、『渾沌の恋人(ラマン)――北斎の波、芭蕉の興』。編著に『久保田万太郎俳句集』(岩波文庫/Amazon オーディブルによる解説朗読)。共著多数。
評論集『余白の祭』により第23回Bunkamuraドゥマゴ文学賞。句集『夢洗ひ』により第67回芸術選奨文部科学大臣賞、2017年第72回現代俳句協会賞。論作の実績により2018年第9回桂信子賞。

ISBN:9784393444238
出版社:春秋社
判型:4-6
ページ数:272ページ
定価:2300円(本体)
発行年月日:2022年04月
発売日:2022年04月20日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:DC
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:1FPJ