渾沌の恋人(ラマン)
北斎の波、芭蕉の興
著:恩田 侑布子
紙版
内容紹介
荒川洋治氏推薦!――【詩歌の全貌を知るための視角と、新しい道筋を、鮮やかな絵巻のように描き出す。重点のすべてにふれてゆく、大きな書物だ。】
あった、何が、興奮が。分断を超える日本文化論!
透徹したまなざしから濃やかに紡ぎ出されるエクリチュール。俳句を超え、芸術表現の諸相をダイナミックに往還し、日本人の美意識の深遠に迫る、斬新な芸術評論・日本文化論。芸術選奨文部科学大臣賞・Bunkamuraドゥマゴ文学賞受賞者、八年がかりのたましいの結晶。
目次
プロローグ 芭蕉の恋
第一章 心身と遊
Ⅰ 身幅の思い
Ⅱ 北斎の「なりかわる」絵
Ⅲ 二十世紀思想家の時間論
Ⅳ いにしえ人の鼓舞
Ⅴ 日本の美と時間のパラドクス
Ⅵ 芭蕉――宇宙のエロス
Ⅶ つきぬける遊び
第二章 定型と呪
Ⅰ 結んでひらいて
Ⅱ 人と時のコレスポンダンス
第三章 季語と興
Ⅰ 幽明界つづれ織
Ⅱ 興の再生
Ⅲ 興とアニミズム
第四章 切れと余白
Ⅰ なりかわり合うこころ
Ⅱ 切れと金雲
終章 水、呼び交わす
Ⅰ 無常と異界
Ⅱ 二股大根のほほえみ
あとがき