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明治の御世の「坊っちやん」

著:古山 和男

紙版

内容紹介

「坊っちやん」はいったい誰なのか――夏目漱石の『坊っちやん』には物語の不自然な展開や特異な表記が散見されることが知られている。ところがそれらは読む人が読めばピンとくる「仕掛け」であった。夢幻能の様式を借り、戯作の手法を駆使して生み出された諷刺文学――これこそがこの国民的小説の神髄である。漱石は、表だって語れなかった明治藩閥政府や日露戦争への痛烈な批判を、痛快な物語の中に込めていたのである。直筆原稿に基づいた斬新かつ冴え渡る「読み」によって、「坊っちやん」のもうひとつの姿が浮かび上がる!

著者略歴

著:古山 和男
1950年、岐阜県恵那市生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。リコーダー演奏家、音楽文化研究家。専門はバロック、ルネサンス演奏法と音楽理論、舞踏法の研究。著書に『秘密諜報員ベートーヴェン』(新潮新書、2010年)、論文には古楽演奏法、作品論、音楽史、リズム論、舞踏法、日本語リズム論などがあり、その中にはオペラの革命性を論じた「ラ・ボエームのミミとは何者か」(国立音楽大学研究紀要、2014年)や、映画『ローマの休日』のアン王女の国を音楽から特定するというようなユニークなものもある。

ISBN:9784393441664
出版社:春秋社
判型:4-6
ページ数:240ページ
定価:2000円(本体)
発行年月日:2017年10月
発売日:2017年10月23日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:FB
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:1FPJ