出版社を探す

[現代日本語訳]日蓮の観心本尊抄

著:正木 晃

紙版

内容紹介

末法の世にふさわしい修行として十界勧請の本尊に対面して唱題することについて理論的に実証した五大部の一つを、難解な仏教用語を避けて誰でもわかるよう現代語訳。執筆の動機と各問答の要約も載せ、難解な議論もすっきり理解。

目次

第Ⅰ部 観心本尊抄 現代語訳

第一段 なぜ題目を唱えるのか
第一章 一念三千こそ天台大師智顗が見出した究極の教え
 【一】八つの質問とその回答
 【二】天台大師智顗の偉大な足跡
第二章 百界千如と一念三千は、どこが、どう異なるのか
 【一】第九ならびに第十の質問とその回答
 【二】第十一の質問とその回答
第三章 『法華経』がしめす十界互具
 【一】観心とは何か
 【二】十界互具は『法華経』にはどのように説かれているのか
 【三】十界互具が信じられない
 【四】人界に十界が具備されている証拠はあるのか
 【五】人界に仏界が具備されている具体的な事例
第四章 「南無妙法蓮華経」という妙法五字を受持する意義
 【一】凡夫の心に仏の心や身体が具備されているとは、どうしても信じられない
 【二】凡夫の心に一念三千が具備されていることを知る三人の師
 【三】一念三千の教えこそ、生きとし生けるものすべてを成仏に導く根本の真理
 【四】題目=「妙法蓮華経」こそ、成仏への道

第二段 ひたすら帰命すべき本尊とは何か
第五章 唯一無二の浄土を末法の時代にしめす本門の本尊について
 【一】仏の身体も国土も永遠不滅ではない
 【二】本時の娑婆世界
 【三】本門の肝心
 【四】本尊のお姿

第三段 大いなる教えを広めるのは誰か
第六章 末法時代だからこそ、『法華経』を広めなければならない
 【一】「如来寿量品」の本尊は、なぜ『法華経』の本門で説きあかされるのか
 【二】末法時代の凡夫にこそ、下種が約束されている
 【三】末法に生きる凡夫のためにこそ、下種が約束されているという教えを証明する経文
第七章 末法時代に『法華経』を伝える師の資格
 【一】遣使還告と是好良薬の意味
 【二】如来神力品に、地涌の菩薩たちへの特別な付属が明らかにされている
第八章 末法時代に生まれ合わせた人々の救いは、どのように約束されているのか
 【一】教主釈迦牟尼仏の救いの眼は末法時代に向けられている
 【二】地涌の菩薩たちが末法時代に出現するという予告
 【三】「妙法蓮華経」という妙法五字が末法時代の人々に差し出されている


第Ⅱ部 解説

第一章 基本情報と執筆の動機
  真蹟 /富木常忍 /曾谷教信 /純漢文の著作が読めた七人 /四人の履歴 /弟子や檀越の数 /龍ノ口法難から佐渡流罪へ /回心 /『開目抄』執筆の背景と動機 /『開目抄』の概要 /諸天善神の加護がない理由 /三大誓願 /旃陀羅という自覚 /日蓮=上行菩薩論 /『観心本尊抄』執筆の動機 /如来滅後五五百歳 /釈迦牟尼仏の入滅年代 /「始」=末法時代の初め
第二章 思想
  構成 /巻頭 /一念三千――『開目抄』から『観心本尊抄』へ /具体的な実践法としての題目
第一段 なぜ題目を唱えるのか
第一章 一念三千こそ天台大師智顗が見出した究極の教え
 【一】第一から第八までの質問とその回答
  中国天台宗
 【二】天台大師智顗の偉大な足跡
  実践法は天台大師智顗も未提示
第二章 百界千如と一念三千は、どこが、どう異なるのか
 【一】第九ならびに第十の質問とその回答
 【二】第十一の質問とその回答
第三章 『法華経』がしめす十界互具
 【一】観心とは何か
 【二】十界互具は『法華経』にはどのように説かれているのか
 【三】十界互具が信じられない
  難信難解の別の理由
 【四】人界に十界が具備されている証拠はあるのか
 【五】人界に仏界が具備されている具体的な事例
第四章 「南無妙法蓮華経」という妙法五字を受持する意義
 【一】凡夫の心に仏の心や身体が具備されているとは、どうじても信じられない
 【二】凡夫の心に一念三千が具備されていることを知る三人の師
  『法華経』の経文にまつわる問答
 【三】一念三千の教えこそ、生きとし生けるものすべてを成仏に導く根本の真理
  三身即一の仏身 /仏種=一念三千の教え
 【四】題目=「妙法蓮華経」こそ、成仏への道
  三十三字段・受持譲与段 /題目・唱題行の由来 /真言・題目・念仏

第二段 ひたすら帰命すべき本尊とは何か
第五章 唯一無二の浄土を末法の時代にしめす本門の本尊について
 【一】仏の身体も国土も永遠不滅ではない
 【二】本時の娑婆世界
  日蓮の即身成仏論 /無表色の三十二相
 【三】本門の肝心
 【四】本尊のお姿
  楊枝の本尊 /佐渡百幅の御本尊から佐渡始顕本尊へ /不動明王と愛染明王 /愛染明王と金剛界曼荼羅の関係 /天照大神と八幡神 /仏法は王法を超越する

第三段 大いなる教えを広めるのは誰か
第六章 末法時代だからこそ、『法華経』を広めなければならない
 【一】「如来寿量品」の本尊は、なぜ『法華経』の本門で説きあかされるのか
  教主・已説・三益
 【二】末法時代の凡夫にこそ、下種が約束されている
 【三】末法に生きる凡夫のためにこそ、下種が約束されているという教えを証明する経文
  会通=前三後三の六釈+日蓮の解釈 /良医の譬え /末法時代に生まれ合わせた人々
第七章 末法時代に『法華経』を伝える師の資格
 【一】遣使還告と是好良薬の意味
 【二】如来神力品に、地涌の菩薩たちへの特別な付属が明らかにされている
  神通力による証明 /日蓮の独創 /常識の転換
第八章 末法時代に生まれ合わせた人々の救いは、どのように約束されているのか
 【一】教主釈迦牟尼仏の救いの眼は末法時代に向けられている
  釈迦牟尼仏の出世の本懐 /円機と円時 /因謗堕悪必因得益 /日蓮の肉声 /折伏と摂受の選択
 【二】地涌の菩薩たちが末法時代に出現するという予告
  「闘諍の時」の真意 /凶瑞から吉瑞へ
 【三】「妙法蓮華経」という妙法五字が末法時代の人々に差し出されている

著者略歴

著:正木 晃
1953年、神奈川県生まれ。筑波大学大学院博士課程修了。専門は宗教学(日本・チベット密教)。特に修行における心身変容や図像表現を研究。
主著に『「ほとけ」論――仏の変容から読み解く仏教』『「空」論――空から読み解く仏教』『お坊さんのための「仏教入門」』『あなたの知らない「仏教」入門』『現代日本語訳 法華経』『現代日本語訳 浄土三部経』『現代日本語訳 日蓮の立正安国論』『現代日本語訳 日蓮の観心本尊抄』『現代日本語訳 空海の秘蔵宝鑰』『再興! 日本仏教』『カラーリング・マンダラ』(いずれも春秋社)、『密教』(講談社)、『マンダラを生きる』(角川ソフィア文庫)、訳書に『マンダラ塗り絵』『世界のマンダラ塗り絵100』(ともに春秋社)など、多数の著書がある。

ISBN:9784393173763
出版社:春秋社
判型:4-6
ページ数:288ページ
定価:2800円(本体)
発行年月日:2023年08月
発売日:2023年08月01日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:QRFB