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C.K.オグデン「ことばの魔術」からの出口を求めて

著:相沢 佳子

紙版

内容紹介

オグデンC.K Ogden(1889-1957)は一般にはあまり知られていないと思う。ベーシック・イングリッシュの考案者として思い出される方はおられるだろう。実は彼はそれ以外にも『意味の意味』の共著者でもあり、J.ベンサムの研究家でもある。さらにその他、心理学者、言語学者、哲学者として数々の業績を残している。
今年2019年は彼の生誕130年にもあたる。
本書の内容としては、1章ではオグデンがどんな人物か、天才でもあり変人でもあり面白い逸話なども含めて語る。2章では彼がどんな人生を過ごしてきたか、その生涯を見ていく。3章では彼の理想の言語、ベーシック・イングリッシュの背景を探ってゆく。ベーシック・イングリッシュそのものについては4章で詳しく説明する。
このベーシック・イングリッシュも古めかしい、回りくどいなど批判もあるが、きちんとした理論的裏付けに基づいた周到に考え抜かれた「英語の小宇宙」である。わずか850 語、特に動詞はたった16語という究極の語彙制限でしかも一般的なことは何でも表現できる英語の組織である。英語の核心的部分なので英語学習の第一歩としても大変有効で、普通英語への橋渡しも自然に出来るようになっている。欠点もあるが、それらを上回るベーシック・イングリッシュのすばらしさを知って欲しい。
(はじめに より)

目次

目次(内容と構成)
はじめに

1章 オグデンとはどんな人物
1 知識欲旺盛でまれにみる博学多才
2 奇人とも言われる風変りな人物

2章 オグデンの人生とは
1 ケンブリッジ大学時代
2 『ケンブリッジ誌』の編集など幅広い活動
3 『サイキ』その他シリーズの編集など
4 ベーシック・イングリッシュ完成、普及

3章 理想の言語を求めて-ベーシック・イングリッシュの背景-
1 普遍言語の夢
2 言語革命を志した人々
3 同時代の人々とのかかわり
4 ベンサム研究
5 『意味の意味』の共著
6 ベーシック・イングリッシュ考案へ

4章 ベーシック・イングリッシュの魅力
1 850語の世界
2 動詞がわずか16語
3 メタファーの宝庫
4 英語教育への理想的な教材
5 思考の明晰化

5章 オグデンArchives(資料館)訪問記
1 ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン
2 レディング大学
3 ケンブリッジ大学
4 ロンドン大学 教育学部
5 カリフォルニア大学ロスアンジェルス校
6 マックマスター大学 カナダ
7 公文書館(Public Record Office)

おわりに

ISBN:9784389501136
出版社:清水書院
判型:4-6
ページ数:216ページ
定価:1300円(本体)
発行年月日:2019年11月
発売日:2019年11月22日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:DNB