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メディアテクノロジーシリーズ 4

ゲームグラフィックス表現技法

著:金久保 哲也

紙版

内容紹介

【読者対象】
本書はゲーム制作に取り組もうとしているビジュアルアーティスト、アニメーターの学⽣を対象としていますが、企画、プログラマーの学⽣にもそれぞれの分野で役⽴つ内容となっています。

【書籍の特徴】
本書ではデジタルゲームのビジュアルアーティスト向けにリアルタイムCG 技術と映像表現⼿法の⼆つの側⾯からゲームグラフィックスの表現技法を解説しています。特定のツールに限定せずにゲームのグラフィックス表現がどのような仕組みで表現されているのか、技術⾯から解説すると同時にビジュアルアートやゲームデザインの側⾯からの制作上の留意点やゲームグラフィックスとして求められることも取り上げています。

【各章について】
「リアルタイム CG」の章ではリアルタイムCG の仕組みと3DCG ゲームグラフィックス表現の変遷について解説します。
「モデル」、「ライト」、「マテリアル」、「アニメーション」の各章では各要素がどのような仕組みでゲームグラフィックスをコントロールしているか解説します。
「ワークフローとアーティストの役割」の章ではゲーム制作におけるビジュアルアーティストの役割分担や⼯程管理について解説します。
「背景・ステージ制作」、「キャラクター制作」、「ゲームアニメーション制作」、「カットシーン制作」、「エフェクト制作」の各章では各アセットの具体的な制作⽅法とリアルタイムCG 技術を解説します。また、ビジュアルアーティストに求められることや必要な知識に関しても解説します。

【著者からのメッセージ】
ゲームグラフィックスは技術とアートを相互に関連させることによって表現されています。ゲーム制作のビジュアルアーティストにはアートの側⾯からの表現だけでなく、リアルタイムCG技術を理解して新たな表現を⽣む出す⼒が求められます。本書ではゲーム制作に興味を持つデザイン系、アーティスト系の学⽣に対して、⾃⾝がデジタルゲームで描きたい表現とゲームグラフィックスの技術がどのように結びついているのか分かりやすく解説しています。
ゲームエンジンの進化によってビジュアルアーティストでもリアルタイムCGやゲームシステムに積極的に担える環境が整いつつあります。より⾃⾝の思い描くゲームグラフィックスを表現するために本書が⾜がかりになれば幸いです。

目次

第1章リアルタイムCG
1.1 リアルタイムCGとは
1.2 リアルタイムCGの仕組み
1.3 フレームレート,レイテンシ
1.4 リアルタイムCGのアセット制作環境
1.5 ゲームエンジン
1.6 3DCGゲームグラフィックス表現の変遷
1.7 アーティストが学ぶこと(アートとテクニカル)
第2章モデル
2.1 モデルデータの基本的な構成要素
 2.1.1 ポリゴン
 2.1.2 法線
 2.1.3 トポロジー
 2.1.4 UV座標
2.2 モデルの種類
 2.2.1 背景モデル
 2.2.2 プロップ
 2.2.3 キャラクター
2.3 モデルの制作手法
 2.3.1 一般的なポリゴンモデリング
 2.3.2 スカルプティング
 2.3.3 スキャニング,デジタイズ
 2.3.4 フォトグラメトリ
 2.3.5 ビルボード表現
 2.3.6 プロシージャルモデリング
第3章ライト
3.1 実写ライティングの知識
 3.1.1 直接光と拡散光
 3.1.2 光の方向による対象物の見え方の違い
 3.1.3 三灯照明(三点照明)
 3.1.4 キャッチライト
3.2 CGのライトの特徴
 3.2.1 ライトが影響する対象の設定
 3.2.2 減衰率の設定
 3.2.3 影の表現
3.3 ライトの種類
 3.3.1 Environmentライト
 3.3.2 Directionalライト
 3.3.3 Pointライト
 3.3.4 Spotライト
 3.3.5 Areaライト
3.4 グローバルイルミネーション
3.5 ライトマップ
3.6 頂点への輝度情報のベイク
第4章マテリアル
4.1 マテリアルの種類
 4.1.1 Albedo(BaseColor)
 4.1.2 Metallic(Metalness)
 4.1.3 Smoothness(Roughness)
 4.1.4 Transparency
 4.1.5 Normal Map
 4.1.6 Height Map
 4.1.7 Emission
 4.1.8 Reflection
4.2 テクスチャの制作手法
 4.2.1 ペイントツールでの作成
 4.2.2 写真からのテクスチャ作成
 4.2.3 プロシージャルテクスチャツール
4.3 メモリを効率的に使用する手法
 4.3.1 圧縮テクスチャ
 4.3.2 ミップマップ
 4.3.3 マスクテクスチャ
第5章アニメーション
5.1 手描きアニメーションの理論
 5.1.1 コントラスト
 5.1.2 スローイン・スローアウト
 5.1.3 誇張表現
 5.1.4 予備動作
 5.1.5 伸縮
 5.1.6 ヒップファースト
 5.1.7 アーク(弧)
 5.1.8 オーバーラップ
 5.1.9 フォロースルー
5.2 ビデオゲームのアニメーション要素
 5.2.1 位置,回転,スケールによるアニメーション
 5.2.2 形状を変化させるアニメーション
 5.2.3 テクスチャのアニメーション
 5.2.4 カメラのアニメーション
 5.2.5 ライトのアニメーション
5.3 RIG(リグ)
 5.3.1 階層構造による制御
 5.3.2 パスアニメーション
 5.3.3 コンストレイン
 5.3.4 IK(インバースキネマティクス)
 5.3.5 スクリプト
 5.3.6 アニメーションのベイク(プロット)
5.4 アニメーションの制作手法
 5.4.1 キーフレームアニメーション
 5.4.2 モーションキャプチャ
 5.4.3 シミュレーション
5.5 アニメーションの編集手法
 5.5.1 グラフエディタ
 5.5.2 アニメーションレイヤー
 5.5.3 ドープシート
 5.5.4 ノンリニアアニメーションツール
 5.5.5 タイムワープ
第6章ワークフローとアーティストの役割分担
6.1 基本的なワークフロー
 6.1.1 プロトタイピング
 6.1.2 プリプロダクション
 6.1.3 本制作
 6.1.4 ブラッシュアップ
 6.1.5 実装までのフロー整備
6.2 アーティストの役割分担
 6.2.1 コンセプトアート
 6.2.2 背景・ステージ制作
 6.2.3 キャラクター制作
 6.2.4 アニメーション制作
 6.2.5 エフェクト制作
 6.2.6 ライティング
 6.2.7 ルックデベロップメント
 6.2.8 UI
6.3 リファレンス
6.4 データのバージョン管理
6.5 工程管理
6.6 役割分担の細分化と変化するアーティストの役割
第7章背景・ステージ制作
7.1 背景デザインに求められること
 7.1.1 現実味を感じさせるデザインとスケール感
 7.1.2 空間の演出
 7.1.3 レベルデザインの視点
7.2 背景制作のフロー
 7.2.1 ビジュアルデザイン
 7.2.2 レベルデザイン
 7.2.3 モデル制作
 7.2.4 エフェクトやアニメーションを伴う背景モデル
 7.2.5 背景のヒットチェック設定
 7.2.6 ライティング
 7.2.7 ライトプローブの配置
7.3 ブロック展開
7.4 テッセレーション
第8章キャラクター制作
8.1 キャラクターデザインに求められること
 8.1.1 立体表現と動きを考慮したデザイン
 8.1.2 プロポーション
 8.1.3 キャラクター制作に関連する知識
 8.1.4 キャラクターのプロップ
 8.1.5 乗り物,メカのプロップ
8.2 キャラクター制作のフロー
 8.2.1 モデル制作
 8.2.2 フェイシャルモデル
 8.2.3 ボーン配置とスキンウェイト設定
 8.2.4 テクスチャ作成
 8.2.5 キャラクターRIG
8.3 補助ボーン
8.4 小物,衣服,髪の毛などの揺れ物
8.5 キャラクターのヒットチェック設定
8.6 LOD
第9章ゲームアニメーション制作
9.1 ゲームアニメーションに求められること
 9.1.1 レスポンス
 9.1.2 動きの滑らかさと連続性
 9.1.3 わかりやすさ,シルエット
 9.1.4 アニメーションシステムの理解
 9.1.5 汎用性と標準化
9.2 ゲームアニメーション制作のフロー
 9.2.1 遷移図とリストの作成
 9.2.2 仮アニメーションの制作
 9.2.3 ヒットチェックのアニメーション調整
 9.2.4 ブラッシュアップ
 9.2.5 プロップのアニメーション
 9.2.6 乗り物,メカのアニメーション
 9.2.7 手付けアニメーションかモーションキャプチャか
9.3 ステートマシン
9.4 シミュレーション,ラグドール
9.5 IKによるアニメーション補正
9.6 アニメーションデータ圧縮
第10章カットシーン制作
10.1 カットシーンに求められること
10.2 カメラワーク
 10.2.1 画角
 10.2.2 被写界深度
 10.2.3 圧縮効果
 10.2.4 ショットサイズ
 10.2.5 イマジナリーライン
 10.2.6 カメラオペレーション
10.3 カットつなぎ
 10.3.1 連続性を維持する
 10.3.2 リズムをつくる
 10.3.3 カットのつなぎ方
10.4 フェイシャル
 10.4.1 フェイシャルアニメーションの二つの要素
 10.4.2 効率の良いフェイシャルコントロールを考える
 10.4.3 感情の変化
 10.4.4 リップシンク
 10.4.5 フェイシャルキャプチャ
10.5 カットシーンの方式
10.6 カットシーン制作のフロー
 10.6.1 プリビズ,コンテムービー
 10.6.2 モーションリスト
 10.6.3 モーションキャプチャ
 10.6.4 レイアウトとアニメーション編集(ライティング,エフェクト)
 10.6.5 フェイシャルアニメーション
10.7 カットシーン制作での留意点
 10.7.1 データのローディング
 10.7.2 ゲームシーケンスとのつながり
 10.7.3 シミュレーションの使用
第11章エフェクト制作
11.1 エフェクトの役割
11.2 エフェクト制作に求められること
 11.2.1 物理法則,物理現象の理解
 11.2.2 CGのテクニカル知識
 11.2.3 観察と再構築
 11.2.4 見えないものをデザインする
 11.2.5 物理現象としての正解とゲームエフェクトの役割としての正解
11.3 エフェクトの制作環境
11.4 エフェクトの制作手法
 11.4.1 物理シミュレーション
 11.4.2 ビルボード
 11.4.3 ポストエフェクト
11.5 エフェクト制作のフロー
 11.5.1 エフェクトリストの作成
 11.5.2 プロトタイピング,汎用エフェクトの作成
 11.5.3 背景データ,アニメーションデータの引継ぎとエフェクト作成
 11.5.4 ポストエフェクトの処理負荷検証
参考文献
索引

ISBN:9784339013740
出版社:コロナ社
判型:A5
ページ数:200ページ
定価:3000円(本体)
発行年月日:2024年02月
発売日:2024年02月05日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:WDM