ようこそアラブへ
著:ハムダ なおこ
内容紹介
人格まで透視するような鋭い眼力を持つ、と思えば、物を順番に揃えることさえ覚束ないアラブ人、無計画なまま長期間放っておいても最後には超スピードで成功に導くアラブ人、毎日5回神に祈りながらも大っぴらにズルをするアラブ人。遠い異国の異教徒である彼らの価値観や倫理を、どうやったら日本人は理解できるのだろうか。
人間世界は不平等と最初から謳うクルアーンは、神の創る絶対的に平等の来世で天国へ行けるように、苦しい現世を全力で精進せよ、と人間に説いている。でも人間はいつだって愚かで間違いを犯す存在だ。その不完全な人間をいかに許し、慈しみ、共存していくかがイスラームの命題である。また人類共通の問題であり、未来への鍵でもある。
内戦がくすぶる中東社会で、燦然と輝き続ける未来都市ドバイ。高賃金、安全、宗教的な保護を求め世界中から集まる人々は、自らの能力を頼りに未来を摑もうと凌ぎあっている。その姿はまた未来の世界の縮図でもある。
世界人口の四分の一となったムスリムの思考や価値観を、日常生活を綴った身近なエッセイの中で解き明かす本著。そこに見えると必然は、新鮮な驚きに満ちている。
目次
プロローグ
第一章 湾岸アラブ(UAE)の人々
眼力
年末を飾ったもの
エレガンス
第二章 アラブからみた日本人
変化のあと
得手、不得手
第三章 言うは簡単でも――イスラームの奨励する断食、慈愛、孝行
それぞれの抵抗
不平等の法則
第四章 家族とわたし
暑い盛りのラマダーン
キリの箱
エピローグ
ISBN:9784336061010
。出版社:国書刊行会
。判型:4-6
。ページ数:228ページ
。定価:1800円(本体)
。発行年月日:2016年12月
。発売日:2016年12月17日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JB。