西尾幹二全集
西尾幹二全集 3 懐疑の精神
著:西尾 幹二
内容紹介
今まで知られていない重要初期論文「ヒットラー後遺症」「大江健三郎の幻想的な自我」「国家否定のあとにくるもの」のほか、比較文学・比較文化の学問上の方法論に対する本質的批判等、多くが未所収の作品で構成される。
目次
第三巻 懐疑の精神
Ⅰ 懐疑のはじまり(ドイツ留学前)
私の「戦後」観
私のうけた戦後教育
国家否定のあとにくるもの
知性過信の弊(一)
私の保守主義観
「雙面神」脱退の記
一夢想家の文明批評―堀田善衛『インドで考えたこと』について
民主教育への疑問
知識人と政治
Ⅱ 懐疑の展開(ドイツからの帰国直後)
ヒットラー後遺症
状況の責任か、個人の責任か―ハンナ・アレント『イェルサレムのアイヒマン』
大江健三郎の幻想風な自我
知性過信の弊(二)
国鉄と大学
喪われた畏敬と羞恥
文化の原理 政治の原理
ことばの恐ろしさ
見物人の知性
見物人の知性( )外観と内容( )ネット裏の解説家( )
二つの「否定」は終わった
自由という悪魔
紙製の蝶々
高校生の「造反」は何に起因するか
生徒の自主性は育てるべきものか
大学知識人よ、幻想の中へ逆もどりするな
安易な保守感情を疑う
Ⅲ 懐疑の精神(七〇年代以降今日まで「現代の批判」)
老成した時代
現代において「笑い」は可能か
成り立たなくなった反語精神
現在の小説家の位置
生活人の文学
日本主義―この自信と不安の表現
実用外国語を教えざるの弁
わたしの理想とする国語教科書
日本を考える(諸篇)
「反近代」論への疑い( )日本人論ブームへの疑問( )読者の条件( )
比較文化論の功罪( )節操ということ( )前向きという名の熱病( )
変化のなかの同一( )江戸の文化生活( )物理的な衝突( )
現代のタブー( )土俗的歴史ブーム( )
個人であることの苦渋
Ⅳ 情報化社会の懐疑
言葉を消毒する風潮
マスメディアが麻痺する瞬間
テレビの幻覚
権利主張の表と裏
ソルジェニーツィンの国外追放
韓非子を読む毛沢東
ノーベル平和賞雑感
Ⅴ 古典のなかの現代
知的節度ということ―サント・ブーヴとゲーテの知恵
人は己れの保身をどこまで自覚できるか―ピランデルロと教養人の生き方
富と幸福をめぐる一考察―ベーコン、ショーペンハウアー、ニーチェ
古典のなかの現代―ベーコン、ニーチェ、ルソー、ヴォルテール、パスカル、
吉田兼好、マキアヴェリ
Ⅵ 観客の名において―私の演劇時評
序にかえて―ヨーロッパの観客
第一章 文学に対する演劇人の姿勢
第二章 解体の時代における劇とはなにか
第三章 『抱擁家族』の劇化をめぐって
第四章 捨て石としての文化
第五章 ブレヒトと安部公房
第六章 情熱を喪った光景
第七章 シェイクスピアと現代
Ⅶ 比較文学・比較文化への懐疑
東京大学比較文学研究室シンポジウム発言
比較文学比較文化―その過去・現在・未来(司会芳賀徹氏)
東京工業大学比較文化研究室シンポジウム発言
比較文化とはなにか、それはなにをなし得るか、またなし得ないのか?
(司会江藤淳氏)
追補 今道友信・西尾幹二対談―比較研究の陥穽
後記
ISBN:9784336053824
。出版社:国書刊行会
。判型:A5
。ページ数:616ページ
。定価:5800円(本体)
。発行年月日:2012年07月
。発売日:2012年07月23日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:DNT。