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ロボット法

増補版

AIとヒトの共生にむけて

著:平野 晋

紙版

内容紹介

●日本初の「ロボット法」入門書、さらに充実のアップデート版!

 近年における人工知能(AI)技術の急速な発展に伴い、これまでSF作品の中だけの話だったような「ロボットとの共生」が、現実味を帯びつつあります。しかし、私たちの社会はその準備ができているでしょうか。自律的に思考・判断し、行動するロボットが、事故を起こしたら? ヒトを傷つけたら? 「感情」を持ったら?――高度なAIを搭載したロボットの登場は、法をはじめとする人間社会のルールにも、大きな影響を与える可能性があります。本書は、ロボットの「制御不可能性」と「不透明性」を軸に、優れたSF作品の教訓にも触れながら、「ロボット法」を構想していくことの重要性を伝えます。
 増補版では、国内外におけるAI原則策定をめぐる最新の動きとその要点をまとめた新章(第7章)を書き下ろしで追加したほか、AIによる雇用差別の問題についての内容を大幅に加筆。さらには、初版でも好評を得た映画・アニメ等本書のテーマに関連する様々な文芸作品の紹介を、新たな画像コンテンツとともに多数追加しています。

目次

序 章――ロボット法の必要性
第1章 ロボット工学3原則
 Ⅰ 「ロボット工学3原則」とは何か
 Ⅱ ロボット工学3原則をめぐる法律論議
第2章 ロボットの起源と文化
 Ⅰ 語  源
 Ⅱ 奴隷としてのロボット
 Ⅲ 脅威としてのロボット
 Ⅳ sci-fi作品のアナロジーを排除すべきか
 Ⅴ ロボットに対する文化的認識の相違
第3章 「ロボット」の定義と特徴 
 Ⅰ 〈感知/認識〉+〈考え/判断〉+〈行動〉の循環 
 Ⅱ 自律性とその諸段階
 Ⅲ 定義をめぐる論争――「自律性」対「創発性」 
 Ⅳ 予測警備(プレディクティヴ・ポリーシング) 
 Ⅴ 人工知能(AI) 
第4章 ロボットの種類とその法的問題
 Ⅰ ロボットの分類
 Ⅱ ロボットの使用領域
 Ⅲ 生物学を応用したロボット
 Ⅳ ヒューマノイド・ロボット
第5章 ロボット法の核心――制御不可能性と不透明性を中心に
 Ⅰ 制御不可能性と不透明性
 Ⅱ ロボット不法行為法
 Ⅲ 小括
第6章 ロボットが感情をもつとき
 Ⅰ 「考え/判断」することへの懸念
 Ⅱ ロボットは「意識」等をもつに至るか 
 Ⅲ ロボット憲法――「ロボット権」?!
 Ⅳ ロボット刑事法――ロボットの刑事責任をめぐる議論
 Ⅴ シンギュラリティ・2045年問題
第7章 ロボット法のゆくえ――AI原則をめぐる日本と世界の動向
 Ⅰ 内閣府「人間中心のAI社会原則検討会議」
 Ⅱ 総務省「AI ネットワーク社会推進会議」の活動と「AI利活用原則」
 Ⅲ AI原則OECD理事会勧告

【参考文献/事項索引】

著者略歴

著:平野 晋
中央大学国際情報学部(iTL)教授・学部長/米国弁護士(NY州)。中央大学法学部法律学科卒業、コーネル大学大学院修了。経済産業省「ロボット政策研究会」(2005~2006年)、OECD「AI専門家会合」(2018~2019年)、および内閣府「人間中心のAI社会原則検討会議」を含む政府有識者会議を多数歴任。現在は、総務省「AIネットワーク社会推進会議」幹事および「AIガバナンス検討会」座長等を務める。(2019年8月現在)

ISBN:9784335357879
出版社:弘文堂
判型:4-6
ページ数:358ページ
定価:2700円(本体)
発行年月日:2019年10月
発売日:2019年10月03日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:UY