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安泰寺禅僧対談

著:藤田 一照
著:ネルケ無方

紙版

内容紹介

曹洞宗の修行道場・安泰寺で、坐禅修行と自給自足の作務に打ち込む青春時代を送った著者二人。少・青年期の苦悩と夢、出家の動機、歴代住職との思い出などを赤裸々に語り合い、仏教、坐禅の正しい理解を指南する。

目次

【目次】

PART1
安泰寺禅僧対談

命すら落としかねない安泰寺
無茶をした青春時代
安泰寺での縁を生かす
安泰寺の住職たち
青春時代の夢
心理学と精神分析
出家の動機
ネルケ無方、ホームレスに憧れる
藤田一照、放浪者を目指す
死を意識する
「何で生きているんだろう」
体と心
「人生に飽きて死ぬなら、いっそ……」
怒ってはいけないのか
人生をジャッジする愚
怒る作法
怒りなさい
悟った「怒り」
頭の手放し
逆転の発想――人間は考えることができるのだ
未熟な仏教の受け取り方をしていませんか
出家のかたち


PART2
坐禅と瞑想

内山老師の「天地一杯の生命」
三法印から大乗へ
坐禅しても何にもならん
坐禅の心得
何にもならない坐禅の危険性
「坐」の喜び
期待せずに坐る
坐禅の価値
正しい坐相をねらい続ける
坐禅指導のあり方
身体の微調整
坐禅ができる身体を作る
ヨーガとエゴ
能力開発としての「行」
内山老師の言葉
宿無し興道
澤木老師、駒大に招かれる
坐相について
禅と戦争
自らの働きを大切にせよ
仏智慧と禅のレトリック
ネルケ無方、禅との出会い
安泰寺に行け
ヴィパッサナー瞑想と禅
ゴエンカ・メソッド
ヴィパッサナー瞑想のラべリングについて
瞑想の主体
瞑想がナーバスになっていないか
タイプによる瞑想法
坐禅の全体
綱渡りと自転車
仏教の「信」
すでに救われている
仏の立ち位置


PART3
「今、ここ」を生きるとは

人は一秒に七十五回生まれ変わる
自ずからでは発きない菩提心
誤解された「今、ここ」
未来を信じる力
ホッとする禅?
「今、ここ」への信は、臨終にもある
道元禅師の「発菩提心」
仏教的目覚めへのチャンス
ぎりぎり どういうことなのか?
二つの「希望」
未来につながっている「今、ここ」とは
禅がねらってゆくもの
内山興正老師の「やすらい」と「進み」
所有という概念を捨てられるか
愛語のコミュニケーション
仏教経済学の視点
菩提心から労働を考える
労働はやり甲斐になり得るか
人生、どのトラックを走るか
坐禅は学びの場
凡夫にでもできる!
人生の価値観を見直せ
坐禅――終わらないゲーム
それぞれが目指す「出家」のかたち
明日は来るものとしての「今、ここ」
禅の要諦――方向の定まり
坐禅の中からの仏教理解
今がチャンスだ!
百一発目の大当たり


PART4
「自ら」するのか 「自ずから」成るのか

曰く言い難し
「自ら」と「自ずから」
自ら安泰寺を創る
自分はどこまでやればよいのか
「自ら」の大切さ
がんばってはいけない?
一照さんの「仙骨」「坐骨」の話
身体との対話
曹洞禅と公案禅
「自ら」と主体性
「お前のことだ!」
「行」とは
人間を休んで一服する
大乗仏教の真価
宗教の向き・不向き
安泰寺では何も教えない
「百尺竿頭進一歩」の強み
損得勘定が邪魔をする
自発的に生きよう
菩薩の生き方
置かれた場所で咲きなさい
ヨーガと菩提心
菩提心の発露としての坐禅
「安楽の全体主義」という危機
試行錯誤の大切さ
人間に生まれた意味
衆生とともに
大乗という舟を漕ぐ
迷ったっていいじゃないか!
問い掛けてくる仏教が好きだ
自分が因となり縁となる
倒れたところで立て!

著者略歴

著:藤田 一照
1954年、愛媛県生まれ。東京大学大学院教育学研究科教育心理学専攻博士課程を中途退学し、紫竹林安泰寺にて曹洞宗僧侶となる。1987年よりアメリカ合衆国マサチューセッツ州西部にあるパイオニア・ヴァレー禅堂に住持として渡米、近隣の大学や仏教瞑想センターでも禅の講義や坐禅指導を行なう。2005年に帰国。神奈川県三浦郡葉山町にて独自の坐禅会を主宰。2010年よりサンフランシスコにある曹洞宗国際センター所長として日本と海外を往還している。著書に『現代坐禅講義――只管打坐への道』(佼成出版社)。共著に『アップデートする仏教』(幻冬舎新書)、『あたらしいわたし(禅100のメッセージ)』(佼成出版社)、『脳科学は宗教を解明できるか?』(春秋社)、『仏教は世界を救うか?』(地湧社)。訳書にティク・ナット・ハン『禅への鍵』『法華経の省察』、ドン・キューピット『未来の宗教』(以上、春秋社)、スティーブン・バチェラー『ダルマの実践』、デイビッド・ブレイジャー『フィーリング・ブッダ』(以上、四季社)、キャロライン・ブレイジャー『自己牢獄を超えて』(コスモス・ライブラリー)がある。
著:ネルケ無方
1968年、旧西ドイツ・ベルリン生まれ。7歳で母と死別し、人生に悩む。16歳で坐禅と出合い、禅僧になる夢を抱く。1990年、京都大学の留学生として来日。その秋から初めて曹洞宗・安泰寺に上山し、半年間の禅修行に参加する。1993年に安泰寺で出家得度。8年間の雲水生活を経て嗣法。2001年から大阪城公園で「ホームレス雲水」として毎朝の坐禅会を開く。2002年に師匠の訃報に接し、安泰寺第9世の堂頭(住職)となる。国内外からの参禅者・雲水の指導にあたって坐禅三昧の生活を送っている。著書に『迷える者の禅修行――ドイツ人住職が見た日本仏教(新潮新書)、『裸の坊様』(サンガ新書)、『禅が教える「大人」になるための8つの修行』(祥伝社新書)、『ドイツ人住職が伝える 禅の教え 生きるヒント33』(朝日新書)、『迷いながら生きる』(大和書房)、『日本人に「宗教」は要らない』(ベスト新書)、『読むだけ禅修行』(朝日新聞出版)、『迷いは悟りの第一歩』(新潮新書)、『ありのままでいい、ありのままでなくてもいい』(KKベストセラーズ)、『ドイツ人禅僧の心に響く仏教の金言100』(宝島社)がある。

ISBN:9784333027095
出版社:佼成出版社
判型:4-6
ページ数:260ページ
定価:1600円(本体)
発行年月日:2015年06月
発売日:2015年06月30日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:QRFB