〈新装版〉絵本翻訳教室へようこそ
著:灰島 かり
内容紹介
絵本翻訳に役立つテクニック満載!
唯一無二の絵本翻訳の教科書が新装版で登場。
本書では、英国の人気絵本作家シャーリー・ヒューズの未訳絵本を用いて、受講スタイルで、翻訳のしかたを学びます。使用する絵本は、幼稚園児の日常に起こる小さな事件を暖かく描いた、‘Alfie Gives a Hand’.訳すうえで重要なポイントのあるページをいくつか抜き出して、絵本翻訳の心構えやテクニックについて、やさしく丁寧に解説。絵本そのものへの理解も深まります。翻訳にまつわるコラムを多数収録。付録としてエッセー4篇などを新たに追加。
目次
はじめに
Chapter1 はやる気持ちを押さえて、まずはウォーミングアップ
絵本翻訳教室へようこそ
まずはウォーミングアップ
絵本は絵を訳す
シャーリー・ヒューズについて
Chapter2 離陸するのは、エネルギーが要ります
まずは絵を見る
漢字はどのくらい使う?
ポイントは招待状
<コラム1> ひらがなと漢字
<コラム2> ハハハ、笑った
Chapter3 この子は、こういう子どもなんです
メリハリをきかせる
古い毛布
<コラム3> タオルっこの絵本、お誕生会の絵本
<コラム4> 翻訳で失われるもの
Chapter4 さりげないところって、案外むずかしいもの
要領よく短めに
“廊下”はすっきり訳す
そのセリフだれの?
<コラム5> あなたの問題
Chapter5 おたんじょう日のプレゼント、反応もいろいろ
文章が出てきた由来は?
押してもダメなら、引くこと
心情をくみとって訳す
<コラム6> お誕生会事情
Chapter6 最初のクライマックスはしゃぼんだま
子どもの会話を知る
擬音語と擬態語
<コラム7> オノマトペの楽しさ
<コラム8> 妖しい動きと絵本翻訳
Chapter7 おたんじょう会にはバースディケーキがなくちゃね
ブンチッチッチ、ブンチッチ
英文を正しく読む
<コラム9> 伝統芸能と絵本翻訳
Chapter8 小さな出来事も、子どもたちには大きなドラマ
つなぎの言葉で、構造を明確に
辞書は両面から引く
和風のものを入れる?
ステレオタイプの方がいいケース
絵の表情をよむ
<コラム10> 辞書の使い方
Chapter9 でもいちばんのドラマは、子どもの成長です
七五調の呪縛
かわいい言い方
大きな変化が起こる場所
<コラム11> 言葉遊びをどう訳すか
Chapter10 手をつないだり転がったり、楽しいクライマックス
マザーグース
<コラム12> マザーグース
<コラム13> マザーグースの翻訳
Chapter11 子どもたちを見守るお母さんの気持ち
セリフのかげの心理を把握する
<コラム14> ヘンリー八世はスケバン?
Chapter12 余韻を残して、終わりましょう
一語一語を大切に
終わりをどうする
題を決めて、できあがり
<コラム15> 名前の翻訳
Chapter13 一冊できあがるって、本当にうれしいこと
翻訳を終えて、感想と質問
<コラム16> 翻訳絵本出版への道
<付録>
[エッセイ]
絵本はステキ! 『げんきなマドレーヌ』
絵本はステキ! 『おやすみなさいのほん』
絵本はステキ! 『三びきのやぎのがらがらどん』
翻訳に「正解」はないのです
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翻訳家としての灰島かり 鈴木 晶
本書で取り上げた作品一覧
初出一覧