出版社を探す

日本語教育学入門

著:姫野 伴子
著:小森 和子
著:柳澤 絵美

紙版

内容紹介

★日本語教師を目指す人のための入門テキスト
日本語教師を目指す人のための入門書です。日本語教師が心得ておくべき日本語の「音声」「語彙」「文法」のそれぞれについて、教育現場に立つ専門家が分かりやすく丁寧に解説。日本語学習者がしがちな誤用を紹介するとともに、その誤用が起こる背景についても説明しているので、日本語を教える上で実践的な1冊となっています。全23課の構成で、各課の末には「練習問題」と「推薦図書」つき。大学テキストとして最適です。

<目次>
第1部 音声
 第1課 音声と音声学
 第2課 単音
 第3課 音素
 第4課 環境や時代による音変化
 第5課 音のまとまりとリズム
 第6課 アクセント
 第7課 イントネーション・プロミネンス・ポーズ
 第8課 学習者の音声と発音指導

第2部 語彙
 第9課 語と語構成
 第10課 文字
 第11課 語の分類(1) 語種と位相
 第12課 語の意味とコーパスの活用
 第13課 語の分類(2) 品詞とオノマトペ
 第14課 第二言語の語彙知識と知識の測定
 第15課 第二言語の語彙習得過程と心内辞書

第3部 文法
 第16課 語と文
 第17課 格と主題
 第18課 活用
 第19課 テンス・アスペクト
 第20課 ヴォイス
 第21課 方向性と恩恵
 第22課 モダリティ
 第23課 待遇表現とポライトネス

練習問題の解答
参考文献/索引

目次

まえがき

第1部 音声

第1課 音声と音声学
1.1 音声の性質と研究の領域
1.2 調音器官:音声を作る場所と声の道
1.3 音声を作る仕組み:ノドがブルブルする

第2課 単音
2.1 日本語の母音:「*疲れていたので、たくさん煮ました」
2.2 日本語の子音:「*退学に行きます」「?ありがとうごじゃいます」「*びっくにしました」

第3課 音素
3.1 音声学と音韻論:“Light”も“Right”も「ライト」?
3.2 特殊拍音素:「*様を食べます」「*ピカソは学科です」「*毎日ビルを飲みます」
3.3 音と表記の対応
COLUMN 1 外来語に見られる母音挿入

第4課 環境や時代による音変化
4.1 同化:「やばい」は「やべえ」になる
4.2 現代の日本語に見られる音変化:「『つくえ』に『う』がありません」
4.3 歴史的な音変化
COLUMN 2 音位転倒

第5課 音のまとまりとリズム
5.1 音節:「たまご」は3つで「たんご」は2つ
5.2 モーラ:「たまご」は3つで「たんご」も3つ
5.3 フット:1モーラ+1モーラ=1フット
5.4 リズム:日本語は機関銃のリズム?

第6課 アクセント
6.1 アクセントとは何か:「まっちゃいろ」は何色?
6.2 アクセントの規則・機能・型:「あなた」と「わたし」は違うグループ?
6.3 特定の条件下におけるアクセント

第7課 イントネーション・プロミネンス・ポーズ
7.1 イントネーション:「これじゃない」は「これ」なのか「これじゃない」のか?
7.2 イントネーションの種類
7.3 プロミネンスとポーズ:目立たせたり、黙ったり

第8課 学習者の音声と発音指導
8.1 学習者の日本語音声に見られる特徴
8.2 発音指導の方法:三角形をなぞってリズムの練習?!
8.3 発音指導について考える

第2部 語彙

第9課 語と語構成
9.1 言語習得の出発点:「*国の家族を見たいです」「*変えってください」
9.2 語の単位:「食べる」「食べた」「たべて」は同じ語か違う語か
9.3 語の構成:「*私に対して15万円の家賃は高すぎる」
COLUMN 3 「目の薬」と「目薬」、「大きな穴」と「大穴」

第10課 文字
10.1 文字と音の関係:「*ええがをみます」
10.2 漢字の学習:「いきる」「うまれる」「なま」「がくせい」「いっしょう」
10.3 漢字の知識:「*髪の毛を整理しました」

第11課 語の分類(1) 語種と位相
11.1 語種:「*友だちに会う約束を解約しました」
11.2 位相と文体:「*お父さん、あなたは今日何時に帰りますか?」

第12課 語の意味とコーパスの活用
12.1 語の意味:「?スーパーで10キロのご飯を買いました」
12.2 語と語の関係:「*クーラーがついているので、暑くないです、寒いです」
12.3 比喩:「『医者のタマゴ』は、『医者が食べるタマゴ』という意味ですか?」
12.4 コーパスの活用:共起語や意味の違いを比較するために

第13課 語の分類(2) 品詞とオノマトペ
13.1 語の分類:「?一流なホテルに泊まりたいです」
13.2 オノマトペ:「*ドアがバタン閉まりました」

第14課 第二言語の語彙知識と知識の測定
14.1 知識の側面:意味はわかるが読めない語もある
14.2 語彙知識の測定(1):テストの方法
14.3 語彙知識の測定(2):テストで測る知識の側面
14.4 語彙知識の測定(3):テストの良し悪し

第15課 第二言語の語彙習得過程と心内辞書
15.1 学習のしやすさ:「電気」を「つく」?「つける」?
15.2 語彙の学習方法:「込んでいる=combでいる」
15.3 頭の中の処理過程:「『洗い出す』は『洗ってから出す』という意味ですか?」
COLUMN 4 第二言語の語彙習得が第一言語の語彙習得と異なる点は?

第3部 文法

第16課 語と文
16.1 文法:「*が全員 覚えるさせるられるますた を教科書。」
16.2 品詞:「*欲しいます」「*病気な人」
16.3 文の種類:「*試験が終わると、遊びに行きましょう」

第17課 格と主題
17.1 格助詞:「猫がネズミを追いかけた/猫をネズミが追いかけた」
17.2 間違えやすい格助詞:「*図書館に勉強します」
17.3 主題:「開けた人は閉めてください/開けたドアは閉めてください」

第18課 活用
18.1 動詞活用:文を終止できるのは終止形だけ?
18.2 五段動詞(I型)と一段動詞(II型):「*雪が降て、5センチ積もました」
18.3 形容詞の活用:「*昨日は、忙しいでした」
COLUMN 5 未来の丁寧体活用表?

第19課 テンス・アスペクト
19.1 主節のテンス:「中野にキャンパスがある/中野でコンサートがある」
19.2 従属節のテンス:「*走った前に準備体操をしました」
19.3 アスペクト:「もうお花見しましたか」「*いいえ、しませんでした」

第20課 ヴォイス
20.1 動詞の自他と「ている/てある」:「*電気がつけています」
20.2 受身:「かばんが盗まれた/かばんを盗まれた」
20.3 使役・可能・自発・「見える/聞こえる」:「??あ、富士山が見られます!」

第21課 方向性と恩恵
21.1 移動:「?田中さんが私に宅配便を送りました」
21.2 授受:「*彼は私に本をあげました」
21.3 恩恵の授受:「#私はあなたにお土産を買ってきてあげました」

第22課 モダリティ
22.1 モダリティの種類:「*悪いけど、私、もう帰ろう」
22.2 対事モダリティと関連づけのモダリティ:「*来るだろうが、来ないだろう」
22.3 対人モダリティ:「*いいですねと思います」

第23課 待遇表現とポライトネス
23.1 敬語:「*昨日はお風呂にお入りした後、テレビを拝見しました」
23.2 発話行為:「#すみません、1,000円お貸しになりませんか」
23.3 ポライトネスと配慮:「ねえ、さっちゃん、教科書、一緒に見よう」
COLUMN 6 文法と語用論

練習問題の解答
参考文献
索引

著者略歴

著:姫野 伴子
姫野伴子 (ひめの ともこ)
明治大学国際日本学部教授。文学修士。専門分野は日本語学、日本語教育。著書に、『日本語教科書の落とし穴』(アルク、共著、1999年)、 『自然な日本語を教えるために 認知言語学をふまえて』(池上嘉彦・守屋三千代編著、ひつじ書房、共著、2009年)、『日本語文法の論点43』(研究社、共著、2012年)などがある。
著:小森 和子
小森和子 (こもり かずこ)
明治大学国際日本学部准教授。博士(学術)。専門分野は第二言語習得、日本語教育。著書に、『会話で覚える形式名詞』(アルク、共著、2001年)、『中国語を第一言語とする日本語学習者の同形語の認知処理』(風間書房、2010年)、『研究社 日本語教育事典』(研究社、共著、2012年)などがある。
著:柳澤 絵美
柳澤絵美 (やなぎさわ えみ)
明治大学国際日本学部特任講師。修士(言語学)。専門分野は日本語音声学、日本語教育。著書に、『日本語教育学研究への展望 柏崎雅世教授退官記念論集』(ひつじ書房、共著、2009年)、『日本語多義語学習辞典 名詞編』(アルク、共著、2011年)がある。

ISBN:9784327384715
出版社:研究社
判型:A5
ページ数:250ページ
定価:2500円(本体)
発行年月日:2015年08月
発売日:2015年08月22日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:CB
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:CF
国際分類コード【Thema(シーマ)】 3:CJ
国際分類コード【Thema(シーマ)】 4:2GJ