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虚構世界はなぜ必要か?

SFアニメ「超」考察

著:古谷 利裕

紙版

内容紹介

現実は変えられないという「現実主義」に抗するためにフィクションは意味をもち得るか、SFアニメで考える骨太フィクション論。

目次

はしがき

序説 フィクションの価値低下のなかでフィクションを問うこと

考察一 ネットもスマホもなかった世界から遠く離れて
『うる星やつら2 ビューティフルドリーマー』『エンドレスエイト』『魔法少女まどか☆マギカ』
考察二 冥界としてのインターネット
『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』と『serial experiments lain』Ⅰ
考察三 SFとオカルトの相補性、ホラーとオカルトの相違
『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』と『serial experiments lain』Ⅱ
考察四 仮想現実とフィクション
『ソードアート・オンライン』『電脳コイル』『ロボティクス・ノーツ』Ⅰ
考察五 多平面的で媒介(間接)的な接触
『ソードアート・オンライン』『電脳コイル』『ロボティクス・ノーツ』Ⅱ
考察六 相対性理論的な感情
『ほしのこえ』と『トップをねらえ!』
考察七 日常としての異世界・中二病
『AURA 魔竜院光牙最後の闘い』と『中二病でも恋がしたい!』Ⅰ
考察八 遊技の現実的な作用
『AURA 魔竜院光牙最後の闘い』と『中二病でも恋がしたい!』Ⅱ
考察九 量子論的な多宇宙感覚
『涼宮ハルヒの消失』『ゼーガペイン』『シュタインズゲート』Ⅰ
考察十 「決断」と分岐問題
『涼宮ハルヒの消失』『ゼーガペイン』『シュタインズゲート』Ⅱ
考察十一 準─多重化される世界
『涼宮ハルヒの消失』『ゼーガペイン』『シュタインズゲート』Ⅲ
考察十二 とりとめのない「地」と認識可能な「図」
『涼宮ハルヒの消失』『ゼーガペイン』『シュタインズゲート』Ⅳ
考察十三 「社会を変える」というフィクション
『逆襲のシャア』『ガンダムUC(ユニコーン)』『ガッチャマンクラウズ』Ⅰ
考察十四 アンチ・ヒーローと、技術が可能にする「新しいもの」
『逆襲のシャア』『ガンダムUC(ユニコーン)』『ガッチャマンクラウズ』Ⅱ
考察十五 フィクションのなかの現実
『マイマイ新子と千年の魔法』『この世界の片隅に』Ⅰ
考察十六 フィクションと現実の交差的交換
『マイマイ新子と千年の魔法』『この世界の片隅に』Ⅱ
考察十七 人間不在の場所で生じる人間的経験
『けものフレンズ』
考察十八 「ここ─今」と「そこ─今」をともに織り上げるフィクション
『君の名は。』『輪るピングドラム』Ⅰ
考察十九 世界そのものが忘れた出来事の記憶
『君の名は。』『輪るピングドラム』Ⅱ
考察二十 呪いによって織り上げられる「同時性」
『君の名は。』『輪るピングドラム』Ⅲ
考察二十一 「透明な存在」の積極的肯定=フィクション
『君の名は。』『輪るピングドラム』Ⅳ

結び

著者略歴

著:古谷 利裕
古谷 利裕(ふるや としひろ)
画家, 評論家. 1967年, 神奈川県生まれ. 1993年, 東京造形大学卒業. 著書に『世界へと滲み出す脳』(青土社), 『人はある日とつぜん小説家になる』(青土社), 共著に『映画空間 400選』(INAX出版), 『吉本隆明論集』(アーツアンドクラフツ), 『半島論―文学とアートによる叛乱の地勢学』(響文社)がある.

ISBN:9784326851966
出版社:勁草書房
判型:4-6
ページ数:292ページ
定価:2600円(本体)
発行年月日:2018年12月
発売日:2018年12月27日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:ATF