ミメーシスを超えて
美術史の無意識を問う
著:岡田 温司
紙版
内容紹介
絵の見方、美術の歴史を「父の機能」の一党支配から開放する戦略とは?
美術史は作品や歴史の真実を鏡のように写し出している。美術史は自律し、自己完結している。美術史に理論はいらない。――こうした美術史の無意識が、ここ十数年いろいろな形で意識化され問直されている。著者もこの立場から、自画像のジレンマ(鏡像、左右の反転)をデューラー、レンブラント、カラヴァッジョの作品を例に論じ、ペストという大惨事と死や恐怖の図像の関係を問直し、ヴェネツィア絵画のタッチをめぐって再考。「聖トマスの不信」を<傷のメトニミー>として、見る側からイメージをふくらませて解釈。具体的な議論は説得的だ。
目次
1 「天才と狂気は紙一重」――ロンブローゾと日本
2 「私」を表象する――自画像再考
3 ペストと美術――14世紀のトラウマとその徴候
4 色彩・タッチ・皮膚――ヴェネツィア絵画を描く手、観る眼差し
5 「傷」のメトニミー――あるいはカラヴァッジョの《聖トマスの不信》をめぐって
註
エピローグ
図版リスト
索引
ISBN:9784326851669
。出版社:勁草書房
。判型:4-6
。ページ数:280ページ
。定価:3800円(本体)
。発行年月日:2000年04月
。発売日:2000年03月25日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:AGA。