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地域包括ケアと福祉改革

著:二木 立

紙版

内容紹介

現在全国の自治体・地域で地域包括ケアシステムの構築・推進・具体化が図られているが、法的定義がわかりづらいために「地域包括ケアシステムとはなにか」が各地で混乱している状況がある。本書では地域包括ケアシステムの法的定義を示した上で、最新の医療・社会保障制度改革の動向を、包括的・複眼的・実証的に分析する。

目次

はしがき

序章 今後の超高齢・少子社会を複眼的に考える──医療・社会保障改革を冷静に見通すための前提

第1章 地域包括ケア政策と地域医療構想の展開
 第1節 地域包括ケアシステムから「全世代・全対象型地域包括支援」へ
 第2節 「地域包括ケア研究会2015年度報告書」を複眼的に読む
 第3節 地域包括ケアシステムと地域医療構想──医療経済・政策学の視点から
 第4節 改めて,2025年に「必要病床数」は大幅減少するか?
 第5節 地域医療構想をめぐる論点または留意点

第2章 福祉改革の展開─「新福祉ビジョン」から「『我が事・丸ごと』地域共生社会」へ
 第1節 厚労省プロジェクトチーム「新福祉ビジョン」をどう読むか
 第2節 「ニッポン一億総活躍プラン」と「地域共生社会実現本部」資料を複眼的に読む
 第3節 『平成28年版厚生労働白書』をどう読むか?
 第4節 「地域力強化検討会中間とりまとめ」をどう読むか?──「新福祉ビジョン」との異同を中心に
 コラム1 『社会福祉研究のフロンティア』書評
 コラム2 『ソーシャルワークにおける「生活場モデル」の構築─日本人の生活・文化に根ざした社会福祉援助』書評

第3章 第2期安倍政権の医療・社会保障費抑制政策
 第1節 「骨太方針2015」の社会保障費大幅抑制方針
 第2節 財政審2015年「建議」の医療・社会保障費抑制要求とKPIの危険性
 第3節 2016年度診療報酬改定の狙いとその実現可能性・妥当性を考える
 第4節 公正取引委員会の「混合介護の弾力化」提案の背景・意味と実現(不)可能性を考える──混合診療解禁論との異同にも触れながら

第4章 保健医療分野のパラダイムシフト論とオプジーボ亡国論の検証
 第1節 高齢社会における保健医療分野の3つのパラダイムシフト論の真贋の検討──「保健医療2035」を中心に
 第2節 國頭医師のオプジーボ亡国論を複眼的に評価する──技術進歩と国民皆保険制度は両立可能

第5章 私の行ってきた研究の視点と方法
 第1節 私の医療政策の分析・予測の視点と方法
 コラム3 医療改革を考える際の3つの座右の銘
 第2節 私の行ってきた研究とその方法──60歳以降の研究の「重点移動」と著書「量産」の秘密

初出一覧
あとがき
事項索引
人名索引

著者略歴

著:二木 立
二木 立(にき りゅう)
1947年生. 1972年東京医科歯科大学医学部卒業. 代々木病院リハビリテーション科科長・病棟医療部長, 日本福祉大学教授・副学長等を経て, 現在:日本福祉大学学長(2017年3月末まで). 著書:『保健・医療・福祉複合体』(医学書院, 1988), 『医療経済・政策学の視点と研究方法』(勁草書房, 2006), 『民主党政権の医療政策』(勁草書房, 2011), 『TPPと医療の産業化』(勁草書房, 2012), 『安倍政権の医療・社会保障改革』(勁草書房, 2014), 『地域包括ケアと地域医療連携』(勁草書房, 2015)等.

ISBN:9784326700981
出版社:勁草書房
判型:A5
ページ数:240ページ
定価:2500円(本体)
発行年月日:2017年03月
発売日:2017年03月30日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:MBN