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コスメの時代

「私遊び」の現代文化論

著:米澤 泉

紙版

内容紹介

メイクで自己プロデュースする女性たち。私らしさや個性を追い求める時代から、ゲームのようにキャラになりきり「私」を遊ぶ時代へ。

なぜ今、化粧なのか。本書は、八○年代から現代にいたるまでの若者文化・価値観の変容をファッションと化粧から読み解く。少女、ファッション誌とモデル、ブランド、フレグランス、フリーク。五つの事例を通して、着ることで私を表現する「私探し」の時代から、化粧によって私を着替える「私遊び」の時代への推移を明らかにする。

目次

はしがき

序 章 ファッションの八〇年代から化粧の現代へ
 1 ファッションから化粧へ
 2 プリクラ、ケータイ、インターネット
 3 サブカルチャーとしての化粧

第一章 少女の消滅――オリーブ少女からコギャルへ
 1 「メークの天才」を目指す小学生
 2 オリーブ少女という文化
 3 コギャルと化粧
 4 ロマンティックから「今、ここ」へ

第二章 物語の終焉――教養小説からキャラクター小説へ
 1 二〇〇七年創刊『AneCan』を読む
 2 八〇年代『an・an』を読む
 3 九〇年代『JJ』を読む
 4 教養小説からキャラクター小説へ

第三章 個性神話の崩壊――コム・デ・ギャルソンからユニクロへ
 1 デザイナーは読者モデル
 2 コム・デ・ギャルソンという神話
 3 ユニーク・クローズ?
 4 個性服から制服へ

第四章 フラット化する「私」――「毒(プワゾン)」から「ヤングセクシーラブリー」へ
 1 「ヤングセクシーラブリー」な現在
 2 八〇年代の「毒(プワゾン)」
 3 幻の水を求めて
 4 フラット化する「私」

第五章 一億総オタク化社会――モノ語りの人々からコスメフリークへ
 1 化粧に捧げる二四時間
 2 着ることは生きること
 3 ファッション・センスから「ビューテリジェンス」へ
 4 化粧に萌える女たち

終 章 私探しから「私遊び」へ
 1 自己表現から「萌え」へ
 2 「私遊び」としてのコスメ
 3 私探しから「私遊び」へ

あとがき
参考文献
索引

著者略歴

著:米澤 泉
米澤 泉(よねざわ いずみ)

1970年京都市生まれ. 大阪大学大学院言語文化研究科博士後期課程単位取得退学. 現在:甲南女子大学人間科学部准教授. 主著:『女子のチカラ』(勁草書房, 2015), 『「女子」の誕生』(勁草書房, 2014), 『私に萌える女たち』(講談社, 2010), 『コスメの時代――「私遊び」の現代文化論』(勁草書房, 2008), 『電車の中で化粧する女たち――コスメフリークという「オタク」』(KKベストセラーズ, 2006).

ISBN:9784326653386
出版社:勁草書房
判型:4-6
ページ数:208ページ
定価:2100円(本体)
発行年月日:2008年12月
発売日:2008年12月10日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JBCC