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ジャーナリズムの倫理

著:山田 健太

紙版

内容紹介

ジャーナリズムをめぐる現代的な状況のいったい何が問題で、解決の可能性はあるのか。現場で直面する問題群への処方箋を示す。

ジャーナリズムが果たすべき継続的安定的な権力監視機能が弱体化しているといわれ、職業専門家としてのジャーナリストという存在の希薄化が進んだ。市民の誰もが情報発信可能となったいま、その情報発信における社会ルールを考えるためにもマスメディアのビヘイビアを検証・検討する。同著者『法とジャーナリズム 第4版』の姉妹本。

目次

序にかえて

1 何をどう守るか
 Ⅰ 自由のための倫理~倫理の本質
 Ⅱ 社会的責務としての倫理~倫理の意味
 Ⅲ ジャーナリストの倫理

2 ジャーナリズム倫理の特性
 Ⅰ メディアの倫理
 Ⅱ メディアへのアクセス
 Ⅲ 自由度の確保

3 自主自律の仕組みと工夫
 Ⅰ 自主規制の構図
 Ⅱ 業界自主規制
 Ⅲ 権利救済システム

4 信頼性~違法・不当
 Ⅰ 読者との信頼
 Ⅱ 冷静さ
 Ⅲ 正当な取材行為

5 真実性~誤報・演出
 Ⅰ 正確さ
 Ⅱ 誤報・虚報・捏造
 Ⅲ 価値付け・わかりやすさ

6 人権配慮~実名・匿名
 Ⅰ 基礎的公共情報と配慮
 Ⅱ 匿名・仮名の課題
 Ⅲ 被害者に寄り添う

7 公正さ~偏向・中立
 Ⅰ 偏向と不偏不党
 Ⅱ 公平公正・客観中立
 Ⅲ 人道的配慮

8 透明性~記者クラブ
 Ⅰ 記者クラブの歴史と功罪
 Ⅱ オフレコ取材
 Ⅲ アカウンタビリティ

9 公共性・公益性~国益
 Ⅰ 言論公共空間
 Ⅱ 特殊な取材
 Ⅲ 戦争報道

謝辞
索引

著者略歴

著:山田 健太
山田 健太(やまだ けんた) 1959年、京都生まれ。専修大学文学部ジャーナリズム学科教授。専門は、言論法、ジャーナリズム研究。放送批評懇談会理事、情報公開クリアリングハウス理事等を務める。BPO(放送倫理・番組向上機構)放送人権委員会委員、日本ペンクラブ専務理事、自由人権協会理事・事務局長など歴任。日本新聞協会職員、日本新聞博物館学芸員、英国エセックス大学国際人権法研究所訪問研究員を経て、2006年より専修大学。主著に、『法とジャーナリズム 第4版』(勁草書房、2021年)、『愚かな風』(田畑書店、2020年)、『沖縄報道』(ちくま新書、2018年)、『見張塔からずっと』(田畑書店、2016年)、『放送法と権力』(田畑書店、2016年)、『3・11とメディア』(トランスビュー、2013年)、『言論の自由』(ミネルヴァ書房、2012年)ほか多数。

ISBN:9784326603404
出版社:勁草書房
判型:A5
ページ数:256ページ
定価:2500円(本体)
発行年月日:2021年09月
発売日:2021年09月18日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:KNTP2