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市民的自由主義の復権

シュミットからルーマンへ

著:小山 裕

紙版

内容紹介

ルーマンが「近代社会は機能分化社会である」と言うとき、〈機能分化していない近代社会〉として想定していたものは〈全体主義〉であった。シュミットによって批判され、一度は葬り去られた市民的自由主義をルーマンはどのようにたどりなおし、継承したのか。〈全体主義〉と〈機能分化〉の対抗関係から浮かび上がる近代社会のあり方。

目次

はじめに

序章 市民的自由主義をめぐる攻防
 0-1 市民社会と市民的なるもの
 0-2 カール・シュミットと市民的自由主義
 0-3 実証主義批判の系譜

第1章 市民的自由主義と社会の科学
 1-1 自由主義的法治国家の概念
 1-2 自由主義的社会学の構想
 1-3 社会学と議会制

第2章 市民的自由主義の社会学的転換
 2-1 社会学の概念
 2-2 社会的分化の概念の含意
 2-3 分化した公共体の概念

第3章 啓蒙批判と構造の概念
 3-1 コミュニケイションと自由主義的自由
 3-2 社会学的啓蒙の背景
 3-3 社会学的啓蒙

第4章 市民的自由主義の再解釈
 4-1 公共性の意義転換
 4-2 公共体の概念
 4-3 機能分化社会の原像

第5章 リベラル・デモクラシーのシステム理論
 5-1 社会理論における政治
 5-2 コードの概念
 5-3 オートポイエーシスとデモクラシーの概念

終章 結びに代えて
   1社会的システム理論の政治思想的基礎
   2機能分化とリベラル・デモクラシー
   3世界社会の概念
   4主権国家体制と機能分化
   5社会構造の再解釈としての社会学史
   6近代市民社会の史的基盤の解明

あとがき
参考文献
索引

著者略歴

著:小山 裕
小山 裕(こやま ゆたか) 1980年横浜市に生まれる。2005年東京大学文学部卒業。2012年東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。 博士 (社会学)。東京大学大学院人文社会系研究科助教を経て、現在東洋大学社会学部講師。主要業績:「観察する科学としての社会学の誕生」『現代思想』(青土社、2014年12月号)、「戦争未亡人たちの戦後」『戦後日本社会の誕生』(弘文堂、2015年) ほか。

ISBN:9784326602858
出版社:勁草書房
判型:A5
ページ数:260ページ
定価:4500円(本体)
発行年月日:2015年11月
発売日:2015年11月25日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JB