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社会イノベーションの科学

政策マーケティング・SROI・討論型世論調査

編著:玉村 雅敏

紙版

内容紹介

本書では、?「政策マーケティング手法」を応用した社会的期待の調査と指標化の手法、?「SROI(社会投資収益率)分析手法」を応用した社会的期待への投資効果(インパクト)の定量分析の手法、?「討論型世論調査」を活用した社会的期待の仮説構築・検証手法の3つの手法について、社会的期待を可視化・定量化する手法として解説する。

目次

はじめに

第1章 イノベーションの考え方と政策展開
  §1 イノベーションとは何か?
    新結合としてのイノベーション
    イノベーションの普及
    イノベーションプロセスの考え方:リニア・モデルと連鎖モデル
    社会ネットワークを基盤とするイノベーション
    イノベーション・エコシステム
  §2 科学技術とイノベーションの政策
    科学政策と科学技術政策の展開
    責任あるイノベーション
    科学技術と社会課題解決のためのグランド・チャレンジ
    先進諸国におけるイノベーション政策の展開
    日本における科学技術・イノベーション政策の展開
    エビデンスと科学的な方法論に基づく「科学政策のための科学」

第2章 科学技術と社会のイノベーション ―社会的期待の可視化・定量化手法による新結合
  §1 社会イノベーションとコミュニティ・ソリューション
    社会イノベーションのアプローチ
    社会イノベーションと科学技術イノベーションの相乗効果
    コミュニティ・ソリューションによる社会課題の解決
    社会イノベーションの普及:スケール・アップとスケール・アウト
  §2 社会イノベーションの科学:社会的期待の可視化・定量化
    エビデンスと科学的な方法論に基づく「社会イノベーションの科学」
    社会的期待の定量化・可視化と科学的方法論
    3つの方法論:政策マーケティング・SROI・討論型世論調査
    統合モデル「社会的期待の可視化・定量化手法」:3つの方法論の有機的連動

第3章 政策マーケティング ―アウトカムの可視化と共創環境の構築
  §1 政策マーケティングとは何か?
    政策マーケティングの考え方
    シェアード・アウトカムを実現するための政策マーケティング
    ソーシャル・キャピタル醸成によるアウトカムの生産性向上
  §2 政策マーケティングの実践事例
    青森県政策マーケティングシステム
    愛知県東海市「東海市まちづくり指標」に基づく協働・共創のまちづくり
    東京都足立区「五反野こども未来ベンチマーク」 によるコミュニティスクールの実現支援
    青森県青森市「青森まちなかマーケティング」による中心市街地の活性化支援
    計画形成支援や社会価値の可視化手法としての活用
    スマートタウンの「幸福度」「科学技術の社会インパクト」を測る評価システムの実装

第4章 SROI(Social Return on Investment) ―協働型の定量評価プロセスの構築
  §1 SROIとは何か?
    社会インパクト評価手法への期待
    社会企業の展開とSROIの開発
    社会インパクト評価としての SROIの浸透と活用
    SROIの特徴(1) ロジックモデルの活用
    SROIの特徴(2) 参加型評価と貨幣価値換算による共通言語の創出
    SROIの特徴(3) 貨幣価値換算による比較分析
    SROIの7つの原則と6つのプロセス
    SROIの活用方法
  §2 SROIの実践事例
    英国保健省によるNHS改革プログラム
    オランダ・ノアバー財団による助成金プログラムヘの活用
    日本の厚生労働省による福祉プログラムの効果測定手法としての活用
    釧路市による生活保護自立支援プログラム評価への活用
    日本マイクロソフトによる就労支援プロジェクトでの活用
    日本財団による福祉事業助成での活用
    社会インパクト評価の政策実装:Social Impact Bond

第5章 討論型世論調査 ―仮説の構築・検証
  §1 討論型世論調査とは
    討論型世論調査の構造とプロセス
    意見聴取方法としての特徴
  §2 討論型世論調査の実践事例
    日本での7つの実践事例
    海外での主要な事例
    米国テキサス州における電力供給体制をめぐる実施事例
    中国ゼゴーにおけるインフラ整備をめぐる実施事例
    イタリアラツィオ州における医療制度をめぐる実施事例
    米国における21世紀のシティズンシップをめぐる実施事例
  §3 科学技術分野における活用:エネルギーと環境の選択肢に関する討論型世論調査を例として
    科学技術分野における討論型世論調査
    「エネルギー・環境の選択肢に関する討論型世論調査」の背景
    RDD方式によるT1調査の実施
    討論資料の作成
    討論フォーラムの開催
    質問紙の設計
    T1調査回答者と討論フォーラム参加者の傾向
    調査結果
    調査に対する批判

第6章 統合モデル ―社会的期待の可視化・定量化手法
  §1 統合モデルの考え方
    3つの方法論の役割
    3つの方法論を連動させる統合モデル
  §2 政策マーケティングの活用
    Ⅰ-1 社会課題構造の把握
      (1) 課題領域設定
      (2) 社会課題構造調査
      (3) 社会課題構造分析
    Ⅰ-2 ステークホルダーマップ作成
      (4) ステークホルダー調査
      (5) ステークホルダー分析
      (6) ステークホルダーマップ作成
    Ⅰ-3 最終アウトカム設定
      (7) 最終アウトカム調査
      (8) マトリックス分析
      (9) 最終アウトカム設定
  §3 SROIの活用
    Ⅱ-1 インパクトマップ作成
      (10) ロジックモデル記述
      (11) 測定指標検討
      (12) インパクトマップ作成
    Ⅱ-2 SROI算出
      (13) シナリオ設定
      (14) データ収集
      (15) SROI分析
  §4 討論型世論調査の活用
    Ⅲ-1 仮説構築
      (16) 仮説設定
      (17) 推進体制構築
      (18) 討論資料・質問紙作成
    Ⅲ-2 仮説検証
      (19) 事前調査実施
      (20) 討論フォーラム実施
      (21) 調査結果分析
  §5 統合モデルの適用:出生前診断を例として
    出生前診断への統合モデルの適用
    Ⅰ-1 社会課題構造の把握
    Ⅰ-2 ステークホルダーマップ作成
    Ⅰ-3 最終アウトカム設定
    Ⅱ-1 インパクトマップ作成
    Ⅱ-2 SROI分析
    Ⅲ-1 仮説構築
    Ⅲ-2 仮説検証

参考文献
おわりに
索引

著者略歴

編著:玉村 雅敏
玉村雅敏(慶應義塾大学准教授)

ISBN:9784326602711
出版社:勁草書房
判型:A5
ページ数:216ページ
定価:2700円(本体)
発行年月日:2014年12月
発売日:2014年12月23日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JB