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入門GMCR

コンフリクト解決のためのグラフモデル

著:猪原 健弘

紙版

内容紹介

社会的な対象である「複数の合理的な主体や提携による意思決定」をコンフリクト解決のためのグラフモデルを使って表現・分析する。

本書で扱うコンフリクトとは、複数の意思決定主体が巻き込まれ、その振る舞いの組み合わせによって達成される状態が定まり、主体たちが持っている選好を通じて主体間の相互作用が生じている意思決定状況を指す。本書では、GMCRの表現法と分析法を理解し、コンフリクト解決のための方法を身につけることをねらいとする。

目次

はじめに

序 章 ようこそ,GMCRの世界へ!
 序.1 本書の目的は何か
 序.2 コンフリクトとは何か
 序.3 GMCRとは何か
 序.4 数理的アプローチとは何か
 序.5 本書の構成
 序.6 記号
 序.7 計算プログラムの提供について

第1章 グラフモデルで表現できるものは何か
 1.1 コンフリクトのストーリーには何があるか
 1.2 ストーリーについて知りたいことは何か
 1.3 グラフモデルの構成要素は何か
 1.4 グラフモデルを用いたコンフリクトの表現の例には何があるか
 1.5 付録:論理,集合,選好
 1.6 演習問題

第2章 合理分析とは何か
 2.1 合理分析の目的は何か
 2.2 合理分析の方法には何があるか
 2.3 合理分析の安定性概念の間の関係には何があるか
 2.4 課題

第3章 合理分析の結果から得られる示唆は何か
 3.1 合理分析の結果の例には何があるか
 3.2 合理分析の結果から得られる示唆には何があるか
 3.3 チャレンジ問題
 3.4 課題

第4章 効率分析とは何か
 4.1 効率分析の目的は何か
 4.2 効率分析の方法には何があるか
 4.3 効率性の概念の間にはどのような関係があるか
 4.4 演習問題チャレンジ問題
 4.5 課題

第5章 効率分析の結果から得られる示唆は何か
 5.1 効率的な状態はどのように見つけられるか
 5.2 効率分析の結果の例には何があるか
 5.3 効率分析の結果から得られる示唆には何があるか
 5.4 問題解決に向けて何ができるか
 5.5 課題

第6章 提携分析とは何か
 6.1 提携分析の目的は何か
 6.2 提携分析の方法には何があるか
 6.3 安定性概念の間に成立する関係には何があるか
 6.4 演習問題
 6.5 課題

第7章 提携分析の結果から得られる示唆は何か
 7.1 提携分析の結果の例には何があるか
 7.2 提携分析の結果から得られる示唆には何があるか
 7.3 安定性概念の間の包含関係と相違には何があるか
 7.4 問題解決に向けて何ができるか
 7.5 課題

終 章 GMCRの展開
 終.1 まとめ
 終.2 態度の導入への展開

演習問題・チャレンジ問題の解説と解答例

参考文献

索引

著者略歴

著:猪原 健弘
猪原 健弘(いのはら たけひろ)
東京工業大学リベラルアーツ研究教育院教授,同環境・社会理工学院社会・人間科学系社会・人間科学コース担当。東京都国立市にある桐朋高校を1988年に卒業後,東京工業大学第1 類に入学。1992年に東京工業大学理学部数学科を卒業し,同大学院総合理工学研究科システム科学専攻へと進学,1994年に修士(理学),1997年に博士(理学)の学位を受ける。日本学術振興会の特別研究員(PD),東京工業大学大学院総合理工学研究科知能システム科学専攻助手,同大学院社会理工学研究科価値システム専攻講師,助教授,准教授,教授を経て,2016年4 月から現職。教育と研究のキーワードは,意思決定,合意形成,紛争解決。社会における意思決定問題をモデル化・分析し,私たちの生活に有用な,社会の振る舞いについての知識を獲得すること,および,それができる人材の育成を目標としている。主な著書に『合理性と柔軟性』(勁草書房,2002年),『感情と認識』(勁草書房,2002年),編著書に『合意形成学』(勁草書房,2011年)がある。

ISBN:9784326504985
出版社:勁草書房
判型:A5
ページ数:288ページ
定価:3000円(本体)
発行年月日:2023年08月
発売日:2023年08月16日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:PBT